肝臓癌(読み)かんぞうがん(英語表記)liver cancer

精選版 日本国語大辞典 「肝臓癌」の意味・読み・例文・類語

かんぞう‐がん カンザウ‥【肝臓癌】

〘名〙 肝臓部にできる癌腫(がんしゅ)原発性のものと、他の諸器官の癌が転移したものとがある。初期は特別の症状を現わさないが、癌腫が発育すると、肝臓は肥大し、上腹部痛、腹水黄疸貧血などを呈し、次第に悪化する。
※いろは交友録(1953)〈徳川夢声〉と「胃癌や肝臓癌(カンゾウガン)と違って、乳癌は根治するからよろしい」

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デジタル大辞泉 「肝臓癌」の意味・読み・例文・類語

かんぞう‐がん〔カンザウ‐〕【肝臓×癌】

肝臓にできる癌腫がんしゅ。原発性のものと、他器官の癌から転移して生じるものがある。肝癌

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世界大百科事典 第2版 「肝臓癌」の意味・わかりやすい解説

かんぞうがん【肝臓癌 cancer of the liver】

肝癌ともいう。肝臓に発生する癌腫。一般には肝臓に原発する癌腫(原発性肝癌)を意味し,他臓器の癌が肝臓へ転移した転移性肝癌とは区別される。原発性肝癌は病理および臨床的に肝細胞癌hepatocellular carcinomaと胆管細胞癌cholangio carcinomaに大別される。また,特殊な原発性悪性腫瘍として乳幼児にみられる肝細胞芽腫hepatoblastomaがある。
[肝細胞癌]
 従来,ヘパトーマhepatomaといわれていたもので,肝臓癌の大半はこれに属する。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「肝臓癌」の意味・わかりやすい解説

肝臓癌
かんぞうがん
liver cancer

肝臓にできる癌で,原発性癌と転移性癌に分けられる。前者には肝実質上皮から発生する肝細胞癌 hepatomaと胆管上皮から発生する胆管細胞癌 cholangiomaがある。後者は胃,胆道膵臓結腸直腸などの腹腔内臓器から転移することが多いが,食道や肺の癌からも転移する。症状としては,一般に肝臓の腫大や黄疸が認められる。初期の原発性癌の場合には肝部分切除が行われるが,転移性癌の多くは切除不可能である。

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百科事典マイペディア 「肝臓癌」の意味・わかりやすい解説

肝臓癌【かんぞうがん】

肝癌

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世界大百科事典内の肝臓癌の言及

【癌】より

…男女とも胃癌と肺癌が断然多く,男女合わせて全癌死のそれぞれ38%,33%を占めている。以下男子で多いのは,肝臓癌14%,腸癌11%と続く。女子では,第3位が腸癌13%,次いで肝臓癌8.6%,乳癌7.5%,胆囊癌7.3%となっている。…

【肝機能検査】より

…この肝炎は慢性化しやすい。以上のほかに,特殊な肝臓疾患と関連した物質としてウィルソン病の診断をするため血清セルロプラスミン,ヘモクロマトージスに対しては血清鉄濃度および血清不飽和鉄結合能,原発性胆汁性肝硬変の診断に抗ミトコンドリア抗体,肝臓癌の診断には血清α‐フェトタンパクの測定が行われている。肝炎
[肝障害に伴う非特異的生体反応物質の測定]
 慢性肝炎や肝硬変では血清中の免疫グロブリン濃度が増大することが知られている。…

【肝腫大】より

…一般に肝臓疾患で黄疸を呈するとき,肝臓は腫大し,黄疸の軽減とともに肝臓は漸次正常の大きさに戻る。肝臓の悪性腫瘍(肝臓癌)では,肝臓内に腫瘍細胞が増加するために,表面に粗大な凹凸のある肝腫大がみられ,しばしば増大傾向を示し腹痛を伴う。肝臓の悪性腫瘍は原発性と転移性に区別されるが,原発性腫瘍の大半は肝細胞癌で,一部胆管癌を含む。…

【肝臓】より

…ギリシア語ではhēparといい,この語幹hēpa‐が肝炎hepatitis,肝臓癌hepatomaなどに用いられている。日本では古くは肝(きも)と呼ばれ,五臓六腑の一つとされる。…

【手術】より

…手術がむずかしいとされていた膵頭部癌に対しても,ホイップルA.O.Whippleが1935年膵頭十二指腸切除術に成功して以来,術式も種々の変遷をへて完全なものとなり,高カロリー輸液療法と相まって一般病院でも行えるようになった。またメスが及ばないと断念されていた肝臓癌も,術中超音波診断による切除範囲決定や,レーザーメスの開発で広範囲切除も可能となっている。胃癌の手術に関しては,日本の成績は世界に誇りうるものである。…

【小児癌】より

…血尿があることもある。(4)肝芽腫hepatoblastomaおよび肝臓癌 小児特有の肝芽腫と,成人型としての肝臓癌がある。いずれにしても,成人の肝臓癌のように肝硬変を伴うことはほとんどない。…

※「肝臓癌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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