ストレプトコッカス属に属するグラム陽性通性嫌気性球菌である連鎖球菌(レンサ球菌)の一種で、肺炎レンサ球菌あるいは肺炎双球菌ともよばれる。鼻や咽頭(いんとう)および喉頭(こうとう)などヒトの上気道に常在菌として存在するが、なんらかの理由で身体の免疫機能が低下した際に体内に進展し、種々の疾患を引き起こす原因菌となる。肺炎球菌の進展によって起こる代表的な疾患は、名前の通り肺炎であり、とくに免疫機能の未熟な小児や、免疫機能が年齢とともにしだいに低下する高齢者に生じる肺炎の原因菌として知られている。そのほかにも、中耳炎や気管支炎、ときに敗血症や髄膜炎などの原因菌ともなる。
近年では肺炎が日本人の死因の第3位に位置するまでに増加しており、そのうち95%は65歳以上の高齢者であるとされる。厚生労働省では、肺炎予防のために肺炎球菌ワクチンの高齢者への定期接種を制度化し、2014年(平成26)10月から実施している(定期予防接種の実施主体は市町村)。
[編集部 2017年8月21日]
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