胃腸薬(読み)いちょうやく

精選版 日本国語大辞典 「胃腸薬」の意味・読み・例文・類語

いちょう‐やく ヰチャウ‥【胃腸薬】

胃腸病の治療薬。また、健胃消化・制酸・整腸剤などもいう。

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デジタル大辞泉 「胃腸薬」の意味・読み・例文・類語

いちょう‐やく〔ヰチヤウ‐〕【胃腸薬】

胃腸の治療をしたり調子を整えたりするための薬。健胃剤制酸剤整腸剤など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「胃腸薬」の意味・わかりやすい解説

胃腸薬
いちょうやく

健胃消化剤、制酸剤、整腸剤、止瀉(ししゃ)剤(下痢止め)など胃や腸に作用する薬の一般名で、胃カタル、腸カタル、胃下垂、胃拡張胃アトニー、消化不良などのほか、胸やけ腹痛、下痢などの症状に用いる医薬品の総称。概して一般用医薬品で、家庭常備薬としてまた海外旅行者の必需品として用いられる。

 おもなものをあげると、胃酸過多に用いる制酸剤(重曹、酸化マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲルなど)をはじめ、食べすぎや消化不良に用いる消化剤(ジアスターゼペプシンパンクレアチンのほか、微生物由来のアミラーゼプロテアーゼリパーゼセルラーゼなど)、食欲不振や消化不良時に胃の運動を促進し、胃液分泌を亢進(こうしん)させる苦味剤(ゲンチアナ、センブリ、リュウタンなど)や芳香剤(ケイヒ、ウイキョウ、ハッカなど)、腹痛や下痢に用いる整腸剤(ベルベリン、アクリノールタンナルビンクレオソート、乳酸菌製剤など)がある。また最近では消化性潰瘍(かいよう)治療薬やロートエキスを配合したものも市販されている。胃腸薬の主流は健胃消化剤であり、制酸剤をベースに消化酵素を配合したものである。また乳酸菌製剤を主成分とした整腸剤も多い。最近の傾向として漢方処方をベースとした生薬のみからなる胃腸薬も繁用され、生薬と制酸剤、消化剤などを配合したものもある。漢方では安中散が有名である。

[幸保文治]

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百科事典マイペディア 「胃腸薬」の意味・わかりやすい解説

胃腸薬【いちょうやく】

胃腸炎,胃酸過多,胃痛,下痢,食あたり,食欲不振,消化不良,食中毒,腹痛などの胃腸疾患(症状)に効果のある薬剤で,次のようなものがある。アミノ安息香酸エチル,オウバクエキス,グアヤコール,クレオソート,ケイ酸アルミニウム,ゲンチアナ,酵母,炭酸水素ナトリウム,センブリ,ホミカエキス,ロートエキス等。

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世界大百科事典 第2版 「胃腸薬」の意味・わかりやすい解説

いちょうやく【胃腸薬】

消化薬,健胃薬,整腸薬等を包括し,広い意味で消化機能を助ける目的で使用される薬物群の総称。胸焼け,げっぷをはじめとして悪心,嘔吐,食欲不振,胃痛,腹痛,潰瘍,下痢,便秘等日常経験する多様な胃腸障害に用いられる薬物を含むので,薬効分類上次のように多くの種類に分けられる。(1)苦味・芳香健胃薬 昔から苦味は,舌の感覚を通じて反射的に中枢を刺激し,これが副交感神経を介して胃液その他の消化液の分泌を促進し消化管運動をうながすとされている。

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