胆石(読み)たんせき

精選版 日本国語大辞典 「胆石」の意味・読み・例文・類語

たん‐せき【胆石】

〘名〙 胆汁成分によって、胆嚢(たんのう)または輸胆管に生ずる結石ビリルビン結石とコレステリン結石がその主なものである。胆汁の鬱滞炎症が石生成に原因として働くといわれる。胆石症を起こすことが多い。〔医語類聚(1872)〕

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デジタル大辞泉 「胆石」の意味・読み・例文・類語

たん‐せき【胆石】

胆汁の成分が濃縮してつくられる結石

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百科事典マイペディア 「胆石」の意味・わかりやすい解説

胆石【たんせき】

胆嚢や胆道に形成される結石。大きさは砂粒〜鶏卵大ぐらいまで。成分は主としてコレステロールとビリルビン(胆汁色素)で,まれにカルシウム脂肪酸,多糖類などがあり,これらの混成石もみられる。結石の原因は胆汁の鬱滞(うったい),胆汁成分の変化,胆道や胆嚢の炎症。日本人の成人の15〜20人に1人は胆石があるといわれるが,胆石症を起こさず無症状のまま経過することもあり,その人を胆石保持者と呼んで胆石症患者と区別する。
→関連項目γ-GTP疝痛胆道癌胆嚢炎鎮痙薬腹腔鏡下手術利胆薬

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世界大百科事典 第2版 「胆石」の意味・わかりやすい解説

たんせき【胆石 gallstone】

胆道系(胆囊,肝内および肝外胆管)において,胆汁成分から生じた固形物質を胆石という。ただし,微小で無構造の砂状物質は胆砂と称し区別している。胆石の存在する部位により,胆囊胆石,胆管(肝外胆管)胆石,肝内(肝内胆管)胆石に分類される。そのうち,胆囊胆石が最も頻度が高く,胆石症cholelithiasisという名称は,一般に胆囊胆石症のことを指す。
[胆石の頻度]
 胆囊胆石の保有率は年齢とともに高くなり,女性に多い。

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生活習慣病用語辞典 「胆石」の解説

胆石

胆のうまたは胆道に結石ができる病気です。加齢とともに発症しやすく、男性より女性のほうがなりやすい傾向があります。発熱、黄疸、右腹部の痛みなどが主な症状ですが、無症状の場合もあります。

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栄養・生化学辞典 「胆石」の解説

胆石

 胆嚢もしくは胆管にできた結石.コレステロールやビリルビン,もしくは炭酸カルシウムで形成される.多くはコレステロールが主成分のコレステロール石.

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世界大百科事典内の胆石の言及

【結石】より

…体内で排出物や分泌物の成分が固まって堅い固形物を形成したものをいう。胆囊および胆道系にできる結石は,胆汁の成分であるコレステロール,ビリルビンカルシウムおよび炭酸カルシウムの組み合わさったものでできており,一般に胆石と呼ばれている。胆汁成分の異常,胆汁鬱滞(うつたい)および感染が加わった場合などに発生する。…

【胆管】より

… 胆管の病気の代表的なものは胆管結石であり,次いで胆管癌,胆管炎などが問題となる。胆管で初めからつくられる胆石はビリルビンカルシウム石であり,コレステロール石が存在する場合は,胆囊でつくられたものが胆囊管を通って排出されて生じたものである。胆管に存在する石は,痛み,発熱,黄疸などの症状をおこすことが多い。…

※「胆石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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