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背水(読み)ハイスイ

デジタル大辞泉 「背水」の意味・読み・例文・類語

はい‐すい【背水】

水を背に位置すること。
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精選版 日本国語大辞典 「背水」の意味・読み・例文・類語

はい‐すい【背水】

  1. 〘 名詞 〙 水を背にすること。陣立に用いる語。
    1. [初出の実例]「韓信が嚢砂・背水(ハイスイ)の謀」(出典太平記(14C後)一九)

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普及版 字通 「背水」の読み・字形・画数・意味

【背水】はいすい

水を後ろにして陣する。〔史記、淮陰侯伝〕(韓)信に問うて曰く、兵法に、山陵を右にし陪(そむ)き、水澤をにし左にすと。今は將軍、臣等をして反(かへ)つて水を背にして陳(ぢん)(陣)せしめて曰く、趙を破りて會せんと。臣等せず。然れども(つひ)に以ててり。此れ何のぞやと。

字通「背」の項目を見る

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改訂新版 世界大百科事典 「背水」の意味・わかりやすい解説

背水 (はいすい)
backwater

河川水路において流れが常流の場合,川底が突出していたり滝のように急な段差があったり,あるいは川幅などが急変し断面が大きく変化しているとき,急変している部分から上流水面の縦断形状は,これらがない場合に比べ大きく変化する。このときの変化した水面の状態を背水という。ここで常流とは,水深が限界水深(流量が一定で比エネルギーが最小,あるいは比エネルギーが一定で流量が最大のときの水深)より大きい流れのことである。河川にせきダムを設けると,水がせき上げられ,水位の上昇が上流に及ぶ。これをせき上げ背水といい,もっとも一般的な背水であり,水面の曲線背水曲線という)はせきまたはダムの付近では水平に近いが,上流にさかのぼるにつれて本来の河川の流れに漸近し,最後は川の流れに一致する。また流れが滝のように急激に落ちこんでいる場合の背水を低下背水といい,背水曲線は上流から段差に近づくに従って水深が浅くなり,水面こう配が急になっていく。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「背水」の意味・わかりやすい解説

背水
はいすい
backwater

開水路の流れで構造物や水路の断面形状、勾配の変化などによる水位変化の影響が上流に及ぶこと。背水は流れが常流(じょうりゅう)の場合に生ずる。水位変化の影響が及ぶ範囲を背水区間という。ダムや堰(せき)などによる水位上昇で背水区間の水位が上昇することを堰上げ背水backwaterといい、床固(とこがた)めなどによる水位低下で背水区間の水位が低下することを低下背水drawdownという。背水がbackwaterの訳語として用いられるときは堰上げ背水を意味し、ダムや堰でせき上げられる水を意味することもある。

[鮏川 登]

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