胡瓜(読み)キュウリ

デジタル大辞泉 「胡瓜」の意味・読み・例文・類語

きゅうり〔きうり〕【胡瓜/×瓜】

ウリ科蔓性つるせい一年草。茎から巻きひげを出して絡みつく。葉は手のひら状に浅く切れ込む。夏、黄色の雄花雌花とをつける。実は円柱形で、いぼがあり、緑色であるが熟すと黄褐色になる。若い実を食用にする。インド原産野菜として栽培。からうり。 夏》「市に見る今朝の―や小指ほど/紅葉
[類語]真桑瓜メロン西瓜烏瓜夕顔瓢箪糸瓜へちまふくべひさご白瓜カボチャ唐茄子冬瓜とうがん苦瓜

き‐うり【胡瓜/黄×瓜】

きゅうり(胡瓜)

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精選版 日本国語大辞典 「胡瓜」の意味・読み・例文・類語

きゅうりきうり【胡瓜・黄瓜】

  1. 〘 名詞 〙 ウリ科のつる性一年草。原産地は東インドといわれ、古くから世界各地で栽培されている。茎は細長く、葉腋に巻きひげがあり、他の物にからんで上に伸びる。全体に刺(とげ)状の毛を密布する。葉は長い柄をもち互生する。心臓形で掌状に三~五浅裂し、初夏、葉腋に黄色の五弁花が咲く。果実は長円柱形で刺をもち、黄熟する。重要な野菜として生食され、多数の品種がある。きうり。そばうり。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「胡瓜 孟詵食経云胡瓜〈曾波宇利 俗用歧宇利〉寒不可多食動寒発瘧病者也」(出典:十巻本和名抄(934頃)九)
    2. 「胡瓜いでて市(いち)四五日のみどりかな」(出典:俳諧・俳諧袋(1801)夏)

胡瓜の語誌

( 1 )インドでは三千年以前より栽培。また「旧約聖書」の民数記にもその名が登場する植物。中国へは漢の頃、張騫が西域から持ち込んだと伝えられ、そのため、「胡瓜」と表記されたという。
( 2 )「Qiuri(キウリ)」〔日葡〕、「Qivri(キウリ)」〔羅葡日〕の例から考えるとキューリという長音でなく、キ・ウ・リと発音されたと考えられる。
( 3 )「和名抄」に記載されていること、平城宮跡から種子が出土したことなどから、日本へは一〇世紀以前に伝来したとされる。この品種は、東南アジア、中国南部経由の華南型で、日本では、長い間、完熟したものを食しており、近世までは野菜として重視されなかった。明治以降、中国北部経由の華北型が導入され、各地に広まった。
( 4 )水神と関係する祇園信仰と結びついており、祭で初物のキュウリを供え、川に流す風習が広く見られる。河童の好物とされるのも水神信仰とかかわる。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「胡瓜」の解説

胡瓜 (キュウリ)

学名:Cucumis sativus
植物。ウリ科の一年生つる植物,園芸植物,薬用植物

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