中国,明朝洪武時代(1368-98)の胡惟庸(こいよう)と藍玉にまつわる二つの疑獄事件をあわせた呼称。1380年(洪武13)中書省左丞相胡惟庸は謀反のかどで処刑され,御史大夫陳寧ら多くのものが連座した。累は劉基らとともに四先生と呼ばれた宋濂にも及んだ。胡惟庸が日本や北元に通謀していたことが明らかになると,90年再び関係者が追及され,その姻戚李善長をはじめ陸仲亨,費聚,黄彬らの建国の功臣が処刑され,すでに死亡していた顧時,楊璟,華雲竜らはその爵を奪われた。藍玉は武功によって涼国公に封じられたが,功を誇っての横暴不法も多く,93年謀反を理由に処刑された。そして曹震,朱寿ら明朝成立後,辺境の平定に貢献した功臣とともに多くの高級官僚が連座し,故人までも爵を奪われた。この二獄によって計4万5000人が連座処刑され,その罪状は天下に公示されたが,事実のほどは明らかではなく,すべては洪武帝の猜疑心(さいぎしん)より出たともいう。ともあれこの一連の獄によって皇帝独裁体制の確立と懿文(いぶん)太子なきあとの明朝の安定がはかられた。
執筆者:阪倉 篤秀
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