精選版 日本国語大辞典 「脊柱」の意味・読み・例文・類語
せき‐ちゅう【脊柱】
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脊椎(せきつい)動物において頭骨の後方に続く中軸骨格の主要部分をいう。脊柱から肩帯および腰帯を介して四肢またはひれを支える骨、すなわち付属骨格が伸びている。脊柱は脊索を中心に発達し、分節的な椎骨(一般には脊椎骨の名称でよばれる)で構成されるが、無顎(むがく)類(円口類)では椎骨は原始的で、脊索背面に軟骨片がわずかに生じるだけである。軟骨魚類では脊索を囲む軟骨性の椎体(椎骨の中央の円筒状部分)が終生続くが、硬骨魚類以上の動物では硬骨化する。椎骨が発達する高等脊椎動物では、脊索は縮小し軟骨部分は椎骨間にわずかに残る。魚類では椎骨の分化は明瞭(めいりょう)でないが、両生類以上では脊柱の部分により形態が異なり、頭骨側から頸椎(けいつい)、胸椎、腰椎、仙椎、尾椎が区別できる。
[川島誠一郎]
ヒトの脊柱は俗に背骨ともよばれ、32~35個の椎骨から構成される。また、脊柱の長さは、日本人で平均75センチメートルである。脊柱の中心には、個々の椎骨に存在する椎孔の連続によって脊柱管が形成され、内部に脊髄を入れている。脊柱管の上端は頭蓋底(とうがいてい)の大後頭孔を通じて頭蓋腔(くう)に続いている。ヒトの脊柱は、二足歩行の生活の結果、四足動物とは異なる特有の彎曲(わんきょく)を示す。すなわち、乳幼児では脊柱全体が軽い後彎(後方に凸)を示すが、成長するにつれて頭部および体幹を支持する必要が生じ、成人になると頸部(けいぶ)と腰部とは前彎(前方に凸)、胸部と仙部とは後彎を示すようになる。この状態を生理的彎曲という。こうした生理的彎曲は、1日の時間の経過や起臥(きが)によって多少変化する。発育の途上で脊柱に不自然な荷重がかかると異常彎曲を生じる。胸部の後彎が強い場合には後彎症(円背(えんぱい))となり、それが部分的な突出になると亀背(きはい)となる。また、脊柱の左右の彎曲が強いと側彎となる。なお、脊柱の長さと身長とはかならずしも比例しない。
[嶋井和世]
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[骨格と内臓]
四肢は芯に骨格をもっているが,頭と胴では,骨格はむしろ体壁の一部をなしており,内部の内臓諸器官を保護している。体を支える軸となる骨格は脊柱で,胴の正中背側部を頸の上端から骨盤まで縦走している。脊柱は椎骨の積重ねでできており,脊椎動物の体幹に共通した体節的構造を示している。…
…脊椎動物の進化の歴史では,脊索が最初に現れたことはほぼ確かであるが,軟骨と骨とはともに起源がきわめて古く,どちらが先に現れたのかは明らかでない。 脊椎動物の骨格は一般的に,頭骨,脊柱,前肢の骨,後肢の骨,前肢を胴につなぐ前肢帯(鎖骨など),後肢を胴または脊椎につなぐ後肢体(骨盤)からなり,そのほかに多少の付属的な骨格がある。 脊柱は脊索に代わって体の中軸をなす骨格で,これは脊椎(椎骨)という骨(または軟骨)が1列に連結されてできている。…
…有頭類ともいい,ときに独立の門とされる。
[特徴]
少なくとも胚には脊索があり,その背側に中空の中枢神経系(神経管),腹側に腸管が位置し,前腸(咽頭)に鰓裂(さいれつ)があり,循環系が閉鎖血管系で毛細血管をもち,体腔があるなどの点は他の脊索動物である尾索亜門(ホヤなど)と頭索亜門(ナメクジウオ)に等しいが,中軸骨格の大部分は脊索と違って分節した脊柱よりなり,前端部に頭骨(頭蓋)がある。脊柱は脊索の周囲の筋節と筋節の間にできた硬骨または軟骨の椎骨(脊椎または脊椎骨)が鎖状に連なったもので,脊索と同じく体の支持器官であるが,それよりじょうぶで,活発な運動に適する。…
※「脊柱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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