精選版 日本国語大辞典 「腐敗」の意味・読み・例文・類語
ふ‐はい【腐敗】
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生物の遺骸(いがい)(死んだ個体や組織)や排出物など窒素を含む有機物質が、嫌気的細菌の働きによって不完全分解する現象をいう。タンパク質は、細菌の生産する加水分解酵素により分解されてアミノ酸となる。アミノ酸からは脱アミノ反応によって低級脂肪酸やアンモニアが生じ、脱カルボキシ(カルボキシル)反応によってアミンが生じる。また、硫黄(いおう)原子を含む含硫アミノ酸からは含硫化合物が生じる。脂肪も不完全分解によって低級脂肪酸を生ずる。糖は発酵してエタノール(エチルアルコール)やブタノールなどのアルコール類のほか、酢酸、酪酸、プロピオン酸などの低級脂肪酸、アセトインやジアセチルなどの低分子ケトン類を生ずる。これらの過程では二酸化炭素、水素、メタンなどのガスも発生する。有機物の嫌気的分解によって生じるこれらの物質の多くは悪臭を発するが、これがいわゆる腐敗臭である。腐敗をおこす細菌は多種あり、とくに枯草(こそう)菌、クロストリジウム、シュドモナス(プソイドモナス)などがよく知られている。大腸菌は哺乳(ほにゅう)類の腸内に普通にみられる細菌で、個体が生きている間は消化を助ける働きをしているが、死ぬとその腐敗に重要な役割を果たす。
腐敗がおこるためには水分が必要であり、また、細菌が繁殖しやすい20~40℃が適温で、したがって夏季に腐敗が生じやすい。食品の防腐保存に、冷蔵、冷凍、乾燥、加熱、脱水、燻煙(くんえん)などを行うのは、細菌の繁殖を妨げるためである。防腐剤も用いられるが、その抗菌作用は人体に有害なものが多い。
腐敗は不快な現象であるが、自然界においてはきわめてたいせつで、生体で利用されていた複雑な有機窒素化合物を、簡単な有機窒素化合物や無機窒素化合物に変化させ、これによって生物が窒素を循環利用できる仕組みが形成されている。
[嶋田 拓]
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
微生物,または酵素によるタンパク質や含窒素有機化合物の低分子化合物への嫌気的分解によって,毒性や不快臭のある低分子化合物が生成する現象.タンパク質,アミノ酸が脱炭酸されて有毒アミン類に変化する.たとえば,アルギニン,オルニチンからプトレッシン,リシンからカダベリンなどが生成する.また,微生物による化学変化で,アンモニア,ヒドロキシ酸,アルコール,アルデヒド,低級脂肪酸,二酸化炭素,硫化水素などを生じる.腐敗にはClostridium属やProteus属の細菌が関与しており,複雑な諸過程から成り立っているが,物質循環のためには重要である.食品の腐敗で毒素が生じる場合には食中毒の原因となる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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