腰刀(読み)コシガタナ

デジタル大辞泉 「腰刀」の意味・読み・例文・類語

こし‐がたな【腰刀】

腰にさす、つばのない短い刀。鞘巻さやまきなど。腰ざし。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「腰刀」の意味・読み・例文・類語

こし‐がたな【腰刀】

  1. 腰刀
    腰刀
  2. 〘 名詞 〙 腰にさす、つばのない短い刀。栗形折金をつけ、副子(そえご)として笄(こうがい)や小柄をつけることが多い。赤木柄鞘巻(さやまき)など各種ある。
    1. [初出の実例]「其後膳所の方に行て、腰刀の崎を返々(かへすかへす)能々(よくよく)(とぎ)、懐に引き入て」(出典今昔物語集(1120頃か)二五)

よう‐とうエウタウ【腰刀】

  1. 〘 名詞 〙 腰にさした刀。特に、腰にさす、鍔(つば)のない短い刀。こしがたな。
    1. [初出の実例]「腰刀(ヨウタウ)をぬきてこれをうけとめ」(出典:読本忠臣水滸伝(1799‐1801)後)
    2. [その他の文献]〔北魏書‐傅豎眼伝〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「腰刀」の読み・字形・画数・意味

【腰刀】ようとう

佩剣

字通「腰」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

防府市歴史用語集 「腰刀」の解説

腰刀

 腰にさす短い刀のことです。

出典 ほうふWeb歴史館防府市歴史用語集について 情報

世界大百科事典(旧版)内の腰刀の言及

【刀装】より

…黒漆太刀,革包太刀とも次の南北朝時代,室町時代に引きつづいて用いられ,やがて主流を占めるようになった。また鎌倉時代から南北朝時代にかけては太刀の差添(さしぞえ)として用いた腰刀(こしがたな)の遺例も多く見られ,赤木柄腰刀(箱根神社),柏木兎腰刀・梅花鮫包腰刀(春日大社),菊造腰刀(毛利報公会),桐文螺鈿腰刀(厳島神社)などが優品である。 室町時代の刀剣の特徴の一つに,前代から引きつがれた太刀のほかに打刀(うちがたな)が流行したことがある。…

【脇指】より

…脇差とも書く。太刀を帯びたとき,脇に指し添えたため,脇刀(わきがたな),腰刀(こしがたな)などともいう。室町時代末期以降,打刀(うちがたな)が盛行すると,打刀拵(こしらえ)と同形式の短い拵を添えるようになり,これが江戸時代に入って大小となって,大を刀,小を脇指というようになった。…

※「腰刀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

メタン

化学式 CH4 。最も簡単なメタン系炭化水素で,天然ガスの主成分をなしている。また石炭ガスにも 25~30%含まれる。有機物の分解,たとえばセルロースの腐敗,発酵の際に生成され,沼気ともいわれる。また...

メタンの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android