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デジタル大辞泉
「腹足類」の意味・読み・例文・類語
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腹足類
ふくそくるい
Gastropoda
軟体動物門腹足綱の貝の総称。従来は鰓の位置・有無から前鰓類,後鰓類,有肺類の3亜綱に分類されていたが,近年後鰓類と有肺類を合せて異鰓類と呼ぶ傾向がある。いわゆる巻貝類で,通常背上に巻いた殻をもつもの (アワビ,サザエ,バイなど) をいうが,笠形の殻をもつカサガイや,殻を失ったウミウシ類 (アオウミウシ,マダラウミウシなど) ,ナメクジなども含まれる。殻はほとんどのものは右巻きであるが,キセルガイ,ヒダリマキマイマイのように左巻きのものもある。頭には1対の触角と眼があり,前端に口がある。内臓嚢は殻の中にあり,外套腔には1対の鰓があるが,有肺類では鰓を欠き,外套膜の内壁が肺の作用をし,鰓に取替っている。神経はねじれて8字形に交差している。これは発生途中で体が 180°ねじれるためで,腹足類の著しい特徴となっているが,ウミウシの仲間などではねじれが戻っている。足は大きく,足裏が平らではうのに適している。足の後方背側に,体を殻内に縮めたとき殻の口をふさぐふたがあるが,有肺類ではこれを欠く。多くは海産であるが,陸,淡水にもすむ。現生種は世界でおよそ3万 5000種,日本に 4000種を産する。
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腹足類
ふくそくるい
軟体動物門の1綱。この腹足綱Gastropodaはいわゆる巻き貝の類で、通常、巻いた貝殻の中に軟体が入り、体の腹面が全部足裏になっているのでこの名がある。殻は殻頂から殻口へしだいに太くなり、左右いずれかに巻いているが、多くが右巻きである。殻の蓋(ふた)は足の背後についており、軟体を殻内に入れたとき殻口を閉じる役目をしている。軟体は普通、頭部に1対の触角と目をもつが、目を欠くものもある。口には歯舌がある。足は広くて平らな足裏になり、はうのに適していて、肛門(こうもん)や生殖孔は外套腔(がいとうこう)に開くようになっている。内臓は殻内に収まる。
この類は、えらが心臓の前方にあり雌雄異体の前鰓類(ぜんさいるい)、えらが心臓の後方にあり雌雄同体の後鰓類、えらがなく外套膜が変化した肺で呼吸する有肺類の3亜綱に分けられる。海水、淡水、陸上のいずれにも分布し、自由生活をしている。
[奥谷喬司]
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腹足類【ふくそくるい】
巻貝類とも。軟体動物中最大の綱。貝殻は普通らせん状に巻いているが,笠(かさ)形のもの,消失したものも多い。頭部には触角と眼があり,口には歯舌を備える。足は一般に扁平で,はうのに適する。えらは普通1対。海産種が多いが,淡水や陸上にもすみ,日本産約3000種,世界に約8万種前後。カンブリア紀に出現した。雌雄異体で,発生の途上で体が180°ねじれた前鰓(ぜんさい)類,雌雄同体で,貝殻の退化に伴ってねじれが戻った後鰓類(アメフラシ,ウミウシなど),有肺類(ナメクジ,カタツムリなど)に分けられる。→貝
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ふくそくるい【腹足類】
腹足綱Gastropodaに属する軟体動物の総称。巻貝類のこと。体を覆って巻いた石灰質の殻を背上にもち,その中に内臓が入っている。頭には触角,眼,口がある。体の下側には大きい足と広平な足うらがあり,はうのに適している。発生中に体が180度ねじれるので,肛門は背上の外套(がいとう)膜の中に開き前方を向いている。また左右の神経はねじれのため交差している。これが腹足類の基本的体制であるが,オキナエビス,アワビなど原始的な類では左右対称でえらなども1対あるが,進化した類では多くは右側の器官が退化して左右不相称になる。
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腹足類
マキガイ綱のことで,クロアワビ,トコブシなどが属する.
出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報