精選版 日本国語大辞典 「膀胱」の意味・読み・例文・類語
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腎臓(じんぞう)から送られる尿の貯蔵の役割を果たす平滑筋性の嚢(のう)状の臓器。膀胱は尿管によって腎臓とつながり、尿道によって体外へつながる。膀胱の形状、大小、壁の厚さは内部の尿量の増減で著しく変化する。成人では空虚なときは圧平された径約3センチメートルの球形で、尿が充満するとほぼ卵形となり、子供ではナシ形となる。膀胱の位置は小骨盤腔(くう)の前部で、恥骨(ちこつ)結合のすぐ後側にあり、長軸は前上方から後下方に傾斜している。その軸の上方から膀胱尖(せん)・膀胱体・膀胱底に分けることができる。
膀胱尖は尿が相当量に達した場合でも恥骨結合の上縁を超えることは少ないが、尿の充満時や子供では上縁の上方まで上昇する。膀胱尖からは結合組織性の索(さく)(正中臍索(さいさく))がへそに向かって前腹壁の後側を上行する。これは胎児時代の尿膜管の遺物である。膀胱体の後方には、男性では直腸、女性では子宮と腟(ちつ)が接し、膀胱の上方表面を覆う漿膜(しょうまく)(腹膜)はそれらの臓器の表面へと反転して連続している。膀胱底の左右後外側部から尿管が膀胱に入る。尿は尿管を通って数秒ごとに膀胱に流れ込み、排尿までそこにたまる。膀胱の壁は内腔を覆う粘膜上皮(移行上皮)と3層の平滑筋層からなり、この筋群の収縮で排尿がおこる。排尿の際には、膀胱と尿道の接合部の周囲に発達した平滑筋性の内膀胱括約筋と横紋筋性の外膀胱括約筋が緩み、排尿を助けている。成人の場合、膀胱内の尿が充満していても、括約筋の働きで排尿しないでいられるが、子供では充満した膀胱をコントロールする力が未発達であるため、夜尿(やにょう)となる。夜尿は、正常でも3~4歳まで続く。
膀胱の内面は、空虚のときは膀胱の収縮のためひだが多い。しかし、膀胱底の内面には頂点を下方に向けた三角形状をしている部分があり、ここはつねに平滑である。この三角形の底辺の両端の位置に(内)尿管口、頂点の部分に(内)尿道口がある。膀胱の容積は成人男子で約600cc、最大容積は800ccであり、女性は男性の6分の5とされる。膀胱内の尿が一定量(約250cc)になると、膀胱壁にある伸展受容器が刺激され、さらに副交感神経系の脊髄(せきずい)膀胱中枢が刺激されて排尿反射がおこる。この反射によって膀胱壁の筋群は収縮し、内膀胱括約筋が弛緩(しかん)され、さらに外膀胱括約筋も意志によって弛緩されて尿が尿道に導かれる。尿道は、男性では前立腺(せん)や陰茎海綿体を貫通して外尿道口に開き、女性では腟の前壁に密接して腟口の前方(腟前庭)から外尿道口に開いている。
[嶋井和世・上見幸司]
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