精選版 日本国語大辞典 「臨終」の意味・読み・例文・類語
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死に際、末期(まつご)または死ぬことをいうが、一般には医師が患者の死戦期(死に至る直前の状態)に立ち会い、死の判定を下した時点をいう。死者への哀惜や忌避、死の受容の仕方をめぐって、人々は臨終に対するさまざまなしきたりを考え出してきた。
[門脇佳吉]
キリスト者にとって死は、呼吸や心臓が止まり、生物学的生命が終わることだけを意味しない。むしろ、死は人格的生命を完成する絶好の機会である。死は外から襲いかかる不幸なできごとであるが、人間はそれを自由をもって積極的に甘受することによって、臨終のときに自分の人格を完成しうると考える。そのうえ、キリスト者にとっては、臨終は十字架上の死によって全人類の救いを完成したキリストに倣う最良の時機であり、それによって神の永遠の生命にあずかることができるのである。臨終とは、この世からの決別であると同時に、「顔と顔とをあわせて」神と出会うことであり、神的な永遠の幸福に入ることである。しかし、神に反逆して罪のうちに死ぬなら、死は永遠の滅びとなる。このため司祭または近親者は、病人に告解(許し)の秘蹟(ひせき)と聖体拝領を受けさせ、手にロザリオや十字架を握らせて、祈祷(きとう)書「臨終の祈り」を病人とともに近親者も唱える。また、臨終の秘蹟または終油(病人塗油)の秘蹟をさずける。
[門脇佳吉]
人間も含めて、すべて生あるものは生死を繰り返すという輪廻(りんね)説にたち、生き物の存在形態として、本有(ほんぬ)(現実の生存)・死有(しう)(死の瞬間)・中有(ちゅうう)(死有と生有の中間の存在)・生有(しょうう)(生の瞬間)の四有(しう)を説き、死の瞬間における意識の状態、身体諸器官の機能停止の遅速などについて細かな議論がなされてきた(『大毘婆沙論(だいびばしゃろん)』巻190など)。とくに日本仏教では、臨終の際はその人の生前の行為の善悪が死に方の好醜として表れるとして、死に臨んだときのあり方を重要視する。日蓮(にちれん)は「先(ま)づ臨終の事を習ふて佗事(たじ)を習ふべし」(『妙法尼御前(みょうほうあまごぜん)御返事』)といって死に対する心構えを説き、また浄土教では臨終正念(しょうねん)といって臨終の際に心乱れず妄念をおこさずに、弥陀を描いた屏風などを立て、弥陀の手と死に臨む人の手を五色の糸で結び、弥陀(みだ)の名号(みょうごう)を唱えて阿弥陀(あみだ)仏の来迎(らいごう)を待つ風が行われた。念仏行者(ねんぶつぎょうじゃ)の臨終のときは、阿弥陀三尊が25人の菩薩(ぼさつ)とともに白雲に乗ってその行者を迎えにきて、極楽浄土に引き入れるという。これを来迎(らいごう)といい、阿弥陀仏四十八願のうちの第十九願に示される。ただし浄土真宗は臨終来迎をいわない。
[藤井教公]
字通「臨」の項目を見る。
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…仏・菩薩が衆生(しゆじよう)を迎えに来ること。とくに念仏行者が臨終のときに,阿弥陀仏が諸菩薩とともに雲に乗り,死者のところへ迎えに来て,極楽浄土へ導き引きとることをいう。来迎引接(いんじよう)と熟し,迎接(ごうしよう)とも略する。…
※「臨終」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
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