デジタル大辞泉
「自動詞」の意味・読み・例文・類語
じどう‐し【自動詞】
動作主体の動作・作用が他に及ばないで、それ自身の働きとして述べられる動詞。「を」格の目的語をとることがない。「雨が降る」「花が咲く」の「降る」「咲く」などの類。⇔他動詞。
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じどう‐し【自動詞】
- 〘 名詞 〙
- ① 英語などで、一般に目的語をとらず、したがって、主客を転換して受動相を作ることのない動詞。自動。〔和蘭字彙(1855‐58)〕
- ② 日本語の動詞で、「を」格の目的語をとらず、作用が主語自体に止まるものとして述べられる動詞。「水を流す」「家を建てる」における「流す」「建てる」を他動詞というのに対して、「水が流れる」「家が建つ」における、「流れる」「建つ」の類をいう。「歩く」「繁る」など、対立する他動詞のないものもある。「道を歩く」などの「歩く」も、意味を重視して自動詞とする場合が多い。自動。〔小学日本文典(1874)〕
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自動詞【じどうし】
直接目的語をとらず,受動態(受身形)をつくらない動詞。他動詞の対。自動・他動の両様に用いられる動詞もある。日本語には,たとえば〈逃げる→逃げられる〉のように,自動詞にも受身の形式が見られる。→再帰動詞/態
→関連項目使役動詞
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自動詞
じどうし
intransitive verb
動詞を意味のうえで,その動作の直接の対象を必要とするものとしないものとに分けたとき,前者を他動詞,後者を自動詞という。文法的には,目的語を従えるのが他動詞で,従えないのが自動詞ということになる。しかし,他動詞でも動作そのものに注目するときには目的語が省かれることもあり,自動詞でも Let's walk it. (歩いて行こう) のように,他動詞的に用いられることもあって,意味のうえからの定義と,文法論的定義とは,必ずしも一致しない。
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世界大百科事典(旧版)内の自動詞の言及
【日本語】より
…ところで,〈態〉ということを,主格と対格の交替と相関する動詞の(規則的な)形態変化というふうに,広く解すると,日本語では,〈弟を行かせる〉のような使役の形や,〈漢字が読める〉のような可能の形や,また〈ガラスが割れる,島が見える〉のような自発の形も,その範囲に入ってくる。それが語彙的レベルになると,〈あく,あける;しまる,しめる;まわる,まわす〉のような自動詞,他動詞の対立となる。このように形態的に対立する動詞が非常に多く,英語や中国語のように同じ形で自他両用に使われる動詞はきわめて少ないというのも日本語の特徴の一つとしてあげられよう。…
※「自動詞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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