精選版 日本国語大辞典 「航路」の意味・読み・例文・類語
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船舶の航行する水路をいう。船舶の安全、能率運航に主眼を置いた航法上の航路と、貨物や旅客の運送に重点を置いた海運経営上の航路に大別できる。
[川本文彦]
航海の実施にあたっては、まず航海の目的、自船の状況、気象・海象等の外力の影響、各種の協定や勧告などを考慮して、安全かつ経済的な航路が選定され、この航路に沿って、一定時間または特定の2地点間を船が進むように針路が定められる。したがって、航法上の航路とは、対地的かつ直航化された概念である。
風を動力源とした帆船時代には、風系・海流系などの外力の利用に主眼を置いた帆船航路があり、ある程度は外力に逆らって航行できる汽船時代に入ると、距離の短縮に重点を置いた能率的・経済的な汽船航路が採用されるようになる。このような航路は、出発地と目的地が同じであればただ一つというわけではなく、船の状態、季節などによって数多く選定されるが、多くの船の長期にわたる経験からいくつかの常用航路が自然的に発生する。このうち各種の航海資料や調査に基づいて、安全かつ能率的な航路であるとして各国水路部等が推薦する推薦航路がある。
さらに、多くの船の航路が集中する狭水道や重要港湾の近くで、交通密度の高い海域での衝突や座礁などの事故を防止するため、秩序ある交通流をつくりだす目的で、行き合い船の航路を分離して指定するなど、国際海事機関(IMO)によってこれに従うことを勧告されている「航路指定」があり、ここでは通航路、相互通航路、深水深航路などの用語が用いられている。類似の国内法では、海上交通安全法で適用海域を指定された航路、たとえば中の瀬航路、明石(あかし)海峡航路などがあり、これらを総称して指定航路、分離航路とよぶこともある。
また航路選定や位置測定、航海実施上の差異に着目して、出入港航路、沿岸航路、近海航路、大洋航路などのことばが用いられる。
[川本文彦]
船舶の運航形態により、定期航路、不定期航路、タンカー航路などの用語がもっとも多く用いられるが、このほか、就航路が国内だけか、外国にも及ぶかによって、国内航路、外国航路または国際航路、三国間航路、就航地や地域によってニューヨーク航路、欧州航路、一周航路などとよぶこともある。
また、特定港まで大型タンカーや貨物船で海上輸送を行い、さらに小型の沿岸航行船に積み換えて各地に輸送する場合の幹線航路、支線航路、伊豆七島などの離島に貨客を輸送する離島航路、採算のとりにくい航路などで補助金を受けて運航する補助金航路などもある。
このほか、船舶安全法や船舶職員及び小型船舶操縦者法に関連して、船舶の設備や乗組員の資格を航行区域によって区別し、これに海運経営上の用語が重なって、遠洋航路、近海航路、沿海航路、平水航路などの用語も用いられる。
いろいろな用い方をされるので、時と場合に応じて使い分ける必要のあるきわめてむずかしい用語といえよう。
[川本文彦]
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…航法が必要とされる理由は,第1に移動体を繰り返し同じ地点に導くためであり,第2に移動体を能率よく確実にしかも安全に導くためである。 航法のもたなければならない基本機能は,移動体が通るのに望ましい経路である航路の設定,定められた航路を進むための針路および速力の設定,任意の時間の航路上の予定点からのずれを検出するための位置の決定および環境・外乱を考慮してのずれの修正(針路・速力の変更)に関する機能である。これらの機能は,移動体が通常の船,潜水船,潜水艦,航空機,宇宙船などのいずれであっても,精度の差はあるものの必要である。…
※「航路」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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