デジタル大辞泉 「芋茎」の意味・読み・例文・類語 いも‐じ【芋▽茎】 《古くは「いもし」》「芋幹いもがら」に同じ。「―、荒布あらめも、歯固めもなし」〈土佐〉 ずいき【芋=茎/芋=苗】 《語源未詳》サトイモの葉柄。ふつう、赤茎のものを酢の物・煮物などにして食べる。干しずいきは、いもがらという。《季 秋》「―さく門賑はしや人の妻/太祇」 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「芋茎」の意味・読み・例文・類語 ずいき【芋茎・芋苗】 〘 名詞 〙 ( 語源未詳 )① サトイモ類の茎。黒みを帯びた赤紫色で、生または日に干したものを食用にする。いもがら。《 季語・秋 》[初出の実例]「芋の葉にをく白露のたまらぬはこれやすいきの涙なる覧」(出典:夢窓国師御詠草(1351頃))「蛭に、唐のずゐきを黒焼にして掛けたるは、水の如くに消えぬる」(出典:多聞院日記‐天文一三年(1544)三月)② 芋の茎を干して作った秘具。肥後ずいき。 いも‐じ【芋茎・】 〘 名詞 〙 ( 「いもし」とも ) =いもがら(芋幹)〔十巻本和名抄(934頃)〕[初出の実例]「芋 いも〈略〉芋の茎 京にて、いもじといふ 東国にて、ずいきと云」(出典:物類称呼(1775)三) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
改訂新版 世界大百科事典 「芋茎」の意味・わかりやすい解説 芋茎 (ずいき) サトイモ類の葉柄。《正倉院文書》に名が見えるほど古くから食用とされた。やわらかく,えぐみの少ない唐芋(とうのいも),八頭(やつがしら)など赤茎のもの,ずいき専用種の蓮芋(はすいも)の葉柄が用いられる。皮をむき,ゆでてから酢を落とした水にさらして,あくを抜き,ゴマ酢あえ,クルミあえなどのあえ物や,酢の物,煮物,汁の実などにする。乾燥品は芋柄(いもがら)と呼ぶことが多く,水でもどしてから調理する。なお,江戸時代から肥後特産の淫具として知られる〈肥後ずいき〉は蓮芋の葉柄を細く切って干したものである。執筆者:鈴木 晋一 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報