精選版 日本国語大辞典 「花冠」の意味・読み・例文・類語
か‐かん クヮクヮン【花冠】
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異花被花(いかひか)における花被の内輪を花冠という。普通は外輪(萼(がく))よりも大きく、アントシアン、フラボノイド、カロチノイドなどの色素を含んで赤、紫、青、黄、橙(だいだい)、白などの色をもち、また、光沢があるものが多く、花粉を媒介する昆虫を誘引する。多くの花は単色ではなく、条(すじ)や紋様があって昆虫の誘引効果を高め、内部への誘導を助けている。昆虫にはハチの仲間のように紫外線の吸収部を識別できるものがあり、花にも、人間の目には単色に見えても、紫外線吸収部の条や紋様のあるものもある。
花冠を構成している花葉(かよう)は花弁とよばれる。1枚1枚の花弁が離生しているものを離弁花冠、いろいろな程度に合着して、少なくとも下部が杯(さかずき)状または筒状になっているものを合弁花冠といい、合弁花冠は離弁花冠よりも進化した状態であると考えられている。
離弁花冠では、ヤマザクラのように、1枚1枚の花弁が同形同大で、放射相称になっているものが多いが、マメの類やスミレのように、すべての花弁が同形同大ではなく、左右相称になっているものもある。大部分のマメ科植物の花冠は蝶形(ちょうけい)花冠とよばれ、5枚の花弁のうち上部の1枚は最大で旗弁(きべん)、側方の1対は細くて翼弁(よくべん)、下方の1対は舟形になって平行に接し舟弁(ふなべん)または竜骨弁(りゅうこつべん)とよばれる。
合弁花冠は、下方の狭くなった筒部と上方の広がった舷部(げんぶ)とに区別される。放射相称の合弁花冠には、キキョウ、ツリガネニンジンのように舷部が同形同大の裂片に分かれた鐘形花冠、アサガオのように裂片に分かれない漏斗(ろうと)状花冠、アセビ、コケモモのように筒部が膨らんだ壺(つぼ)形花冠などがある。左右相称のものにはシソやサルビアのように2裂片よりなる上唇と、3裂片よりなる下唇に分かれた唇形(しんけい)花冠がある。キンチャクソウにみられるきんちゃく状花冠、タヌキモにみられる仮面状花冠などは唇形花冠の特殊化したものである。
[田村道夫]
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