若い(読み)ワカイ

デジタル大辞泉 「若い」の意味・読み・例文・類語

わか・い【若い】

[形][文]わか・し[ク]
生まれてから多く年数を経ていない。年齢が少ない。「―・いころ」「―・い女性」
草木などが生え出てからあまりたっていない。「―・い樹木」「―・い芽」
できてからの時間が短い。まだ十分に発達していない。「―・い国」「―・い産業
他の人にくらべて、年齢が下である。「私より三つ―・い」
衰えていない。生気に満ちている。若々しい。「気持ちが―・い」「年の割にからだが―・い」
世慣れていない。経験が少なく、未熟である。「考え方が―・い」「すぐ顔色に出るようではまだ―・い」
数字番号が他とくらべてゼロに近い。数が少ない。「―・い番号」
[派生]わかげ[形動]わかさ[名]
[類語](1)(4うら若い年若年弱としよわ年少弱小年下弱年弱齢妙齢ヤング若盛り血気盛り少壮盛年壮年壮齢男盛り女盛り娘盛り色盛り働き盛り芳紀年頃/(5若若しい若やかうら若い若やぐ若気ういういしいみずみずしいいとけない幼い青臭い溌剌/(6子供っぽい青い青臭い乳臭い幼い未熟幼稚くちばしが黄色い子供らしいいとけない稚気幼少童心幼心おさなごころ子供心頑是ない子供じみる大人気ない

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精選版 日本国語大辞典 「若い」の意味・読み・例文・類語

わか・い【若】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]わか・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. ある物が現われてからの時間が短い。人のほかに動植物にもいい、また、比喩的には月や季節にもいう。
    1. (イ) 人や物が生まれたり発生したりしてから、まだあまり年がたっていない。幼年期である。いとけない。おさない。
      1. [初出の実例]「射ゆ獣(しし)を つなぐ川辺若草の 倭柯倶(ワカク)ありきと 吾が思(も)はなくに」(出典:日本書紀(720)斉明四年五月・歌謡)
      2. 「足摺(あしず)りといふ事をして泣くさま、わかきこどものやうなり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)蜻蛉)
    2. (ロ) 草木などが生え出てからあまり時がたっていない。萌え出たばかりである。
      1. [初出の実例]「さを鹿の朝伏す小野の草若(わか)み隠らひかねて人に知らゆな」(出典:万葉集(8C後)一〇・二二六七)
    3. (ハ) 月が見え始めてからあまり日がたたない。月齢が少ない。
      1. [初出の実例]「ほととぎす月わかしとや奥山のこぬれ隠れに声ならすらん」(出典:散木奇歌集(1128頃)夏)
    4. (ニ) その季節になってからまだ日が浅い。
      1. [初出の実例]「トキガ wakai(ワカイ)ニ サク」(出典:改正増補和英語林集成(1886))
  3. いかにものような状態である。
    1. (イ) 声や様子などが、子どもらしい。あどけない。
      1. [初出の実例]「少納言がもとに寝むと宣ふ声いとわかし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若紫)
    2. (ロ) 技量や物の考え方などが、未熟である。未完成である。
      1. [初出の実例]「こともなき御琴かな。すこしまだわかくぞあんなる」(出典:宇津保物語(970‐999頃)春日詣)
    3. (ハ) 実などが、十分成熟していない。
  4. もう子どもではないが、まだ十分におとなではない。青年期である。若年である。平安貴族では、元服裳着ののち、二〇歳ごろまでにいうことが多い。
    1. [初出の実例]「幼きときには則ち父母に従ふ。少(ワカキ)ときには則ち夫に従ふ」(出典:大智度論天安二年点(858))
  5. いかにものような状態である。生気に満ちあふれている。年齢に関係なく、見た目などが若々しい感じである。みずみずしい。
    1. [初出の実例]「若有(わかかり)し 膚(はだ)も皺みぬ 黒かりし 髪も白(しら)けぬ」(出典:万葉集(8C後)九・一七四〇)
    2. 「山べにふゆわかく野辺に春老いたり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)春日詣)
  6. ( 他と比較して ) 年齢が下である。年少である。
    1. [初出の実例]「然れば五年は十年繋せられても吾尚四十歳のみ。足下更に弱(ワカ)し」(出典:野村和作宛吉田松陰書簡‐安政六年(1859)四月一四日)
  7. 数字や番号が、他と比べてゼロの方に近い。また、回数などが少ない。
    1. [初出の実例]「まだ回は若(ワカ)し〈略〉勝負にならぬとは限らない」(出典:熱球三十年(1934)〈飛田穂洲〉富士夫の文才)

若いの補助注記

上代では、幼少の意の場合が多く、中古では青年期をさすことが多い。類義語「おさない」は、幼少で考え方がまだ未熟である意。

若いの派生語

わか‐が・る
  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙

若いの派生語

わか‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

若いの派生語

わか‐さ
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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