火葬のこと。火葬のために死体を焼くことをパーリ語でジャーペーティjhāpeti,サンスクリットでディヤーパヤティdhyāpayati(いずれも三人称単数形)というが,〈荼毘〉とはこのような言葉の音写と考えられている。インドでは古くから四葬(水葬,火葬,土葬,風葬)の風習があったが,その中でも火葬が最も重んじられ,正葬とされていた。釈尊の遺骸も,転輪聖王(てんりんじようおう)の葬法にならって荼毘に付されたと伝えられる。火葬は仏教とともに中国や日本にも伝えられ,僧侶を中心に行われるようになった。中国では5世紀初めに火葬の行われた記録があり,また日本では700年に道昭が荼毘に付されたのが最初とされる。火葬はその後,僧侶だけでなく王侯貴族などの間にもしだいに行われるようになっていったが,中国や日本では抵抗も大きく,一般には土葬が主流であった。しかし,のちには日本でも火葬が一般化し,しだいにこれに変わった。
→火葬
執筆者:岩松 浅夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…このほか,北米,中米の多くのインディアンのもとで火葬はかなり頻繁に行われていたことが知られている。【内堀 基光】
[日本の火葬]
仏教ではこの葬法を荼毘(だび)ともいう。これはパーリ語jhāpeti(dhyāpeti)の音訳である。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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