精選版 日本国語大辞典 「落葉」の意味・読み・例文・類語
おち‐ば【落葉】

らく‐よう ‥エフ【落葉】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
葉が自然の加齢に伴って老化する結果、あるいは自然環境の変化に対応する結果として、茎から脱離することをいう。後者の場合は落葉樹にみられ、主として日照期間の短縮が引き金となって、すべての葉が同時期に落ちる。これは植物の越冬機構の一つである。
落葉がおこる前には、葉柄の基部に、細胞分裂の結果、離層とよばれる小形の細胞でできた数層の柔細胞組織が形成される。離層の形成は、成熟葉になってから行われる場合と、葉の成長の初期にすでに行われている場合とがあり、植物によって異なる。離層の部分の維管束系には繊維細胞を欠如することがあり、全体としては機械的に弱くなっている。実際の落葉に先だって、離層では、ペクチナーゼおよびセルラーゼという酵素が誘導される。これらの酵素の働きで、それぞれ細胞壁多糖類のペクチン質、およびセルロースが分解され、離層を構成する細胞の細胞壁が崩壊して、葉柄は離層のところで切れる。そして、つながっていた維管束は葉身の重みで切断され、落葉がおこる。葉柄の脱離面では、維管束の木部道管、または仮道管細胞内にカロース(填充体(てんじゅうたい)ともいう)とよばれる細胞群が生じて管をふさいでしまう。さらにコルク組織が形成されて脱離面全体を覆うようになる。落葉する葉は、クロロフィルやタンパク質などが分解され、葉の栄養分は他の組織へ転流される。落葉樹における落葉では、黄色化または紅色化するものが多い。
落葉には内的要因として、植物ホルモンのオーキシン、サイトカイニン、およびエチレンが関与していると考えられる。前二者の生成や供給の低下は葉の老化を促進させ、離層形成の引き金となる。エチレンは、離層における細胞壁分解酵素の合成を誘導し、直接的に落葉を調節する。なお、落果の現象も基本的には落葉と同じである。
[勝見允行]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
冬期3カ月の平均気温が平年と比べて高い時が暖冬、低い時が寒冬。暖冬時には、日本付近は南海上の亜熱帯高気圧に覆われて、シベリア高気圧の張り出しが弱い。上層では偏西風が東西流型となり、寒気の南下が阻止され...
11/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/26 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典を更新
10/19 デジタル大辞泉プラスを更新
10/19 デジタル大辞泉を更新
10/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
9/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新