蔑（読み）ベツ

デジタル大辞泉

べつ【蔑】［漢字項目］

［常用漢字］　［音］ベツ（漢）　［訓］さげすむ　ないがしろ
ばかにする。無視する。「蔑視・蔑称／軽蔑・侮蔑」

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

ない‐が‐しろ【蔑】

1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「無きが代」の変化した語。人や物があってもないかのようにするさま )
2. ① ( 多く「ないがしろにする」の形で ) 無視するさま。軽んじあなどるさま。
   1. [初出の実例]「軽(かろ)み蔑(ナイガシロニスル)こと」(出典：石山寺本蘇悉地羯羅経略疏天暦五年点（951）五)
   2. 「福家の人のないがしろなるけしきを聞くにも」(出典：方丈記（1212）)
3. ② 人目を気にしないでうちとけたさま。しどけないさま。無造作なさま。
   1. [初出の実例]「ないがしろなるもの。女官どもの髪上げ姿。唐絵の革の帯のうしろ」(出典：枕草子（１０Ｃ終）二五七)

さげしみ【蔑】

1. 〘 名詞 〙 ( 「さげしみ（下墨）」から転じた語 ) ＝さげすみ（蔑）
   1. [初出の実例]「女郎には能筆があれ共、芸子にはなきとのさげしみ」(出典：浮世草子・傾城禁短気（1711）二)

出典　精選版 日本国語大辞典