精選版 日本国語大辞典 「蕃書調所」の意味・読み・例文・類語
ばんしょ‐しらべしょ【蕃書調所】
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江戸幕府の洋学研究教育機関。1853年(嘉永6)のペリー来航を契機に幕府は外交・軍事面の充実を図り、その一策として洋学を取り扱う機関の設置を計画した。1855年(安政2)洋学所という仮称のもとに頭取(とうどり)古賀謹一郎を中心として準備が開始され、1856年蕃書調所という名で開業、1857年1月授業も開始された。同所の任務には、洋書洋文の翻訳・研究、洋学教育、洋書・翻訳書などの検閲、印刷・出版、一部の技術伝習があり、これを担当する教授方には、箕作阮甫(みつくりげんぽ)、杉田成卿(せいけい)、松木弘安(こうあん)(寺島宗則(むねのり))、村田蔵六(ぞうろく)(大村益次郎)ら著名な洋学者が任ぜられた。当初、設置科目は蘭学(らんがく)1科であったが、1860年(万延1)より1862年(文久2)にかけ、英・仏・独の外国語、および精煉(せいれん)・器械・物産・数学などの科学技術部門諸科が次々に開設された。構舎は初め江戸九段坂下にあったが、1859年(安政6)に小川町へ、1862年に一橋(ひとつばし)門外へ移転した。蕃書調所は1862年に洋書調所、1863年に開成所と名称を変え、維新後は明治政府に移管され東京大学の前身校の一つとなった。
[宮崎ふみ子]
『大久保利謙著『日本の大学』(1943・創元社)』▽『沼田次郎著『幕末洋学史』(1950・刀江書院)』▽『沼田次郎著『洋学伝来の歴史』(1960・至文堂)』
江戸幕府が設けた洋学研究教育機関。1853年(嘉永6)のペリー来航を契機として,洋書翻訳と洋学の研究・教育を目的に幕府によって洋学校の設立が計画され,55年(安政2)に初代洋学所頭取に古賀謹一郎(号は茶渓など,諱は増)が任命され,翌年,蕃書調所と改称して江戸九段坂下に開所した。箕作阮甫と杉田成卿の2名の教授と教授手伝,句読教授が任命され,洋書の翻訳とともに洋学教育が実施された。開所当時,1日約100名が登校した。入学者は当初幕臣に限定されたが,のち諸藩士も認められた。オランダ語をはじめ,英語,フランス語,ドイツ語などの語学教育が実施された。1863年(文久3)開成所と改称。翌64年に制定された開成所規則ではオランダ語,英語,フランス語,ドイツ語,ロシア語の5ヵ国語と天文学,地理学,窮理学(物理学),数学,物産学,化学,機械学,画学,活字術の9学術の実施が定められた。1868年(明治1)開成所は明治新政府に移管された。
著者: 冨岡勝
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江戸幕府の洋学研究教育機関。主要業務は洋書翻訳・洋学教育・洋書翻訳書検閲。老中阿部正弘のもとで,1856年(安政3)2月に洋学所が蕃書調所と改称され,7月に古賀謹一郎を頭取として九段下に開業。翌年1月に開校式を行い,幕臣とその子弟に対する洋学教育を開始。はじめは毎日約100人の登校者がいた。58年5月には蘭語句読修了以上の者にかぎり陪臣にも入学を許可。教授方は開業当時の15人からしだいに増加し,59年には22人となった。58年井伊直弼(なおすけ)が大老となり幕政の実権を握ると,蕃書調所は幕府内部で軽視されるようになり,59年小川町の狭い構舎へ移転された。しかし60年(万延元)に直弼が倒れると学科新設が相つぎ,名称も洋書調所,さらに開成所と改称され発展。
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…長崎のオランダ商館は幕初以来,毎年オランダ商船のもたらす海外情報を江戸幕府に献上していた。これを〈オランダ風説書〉といったが,安政末年にいたってジャカルタのオランダ総督府機関紙《ヤファンシェ・クーラントJavaansche Courant》が代わって献上されるようになり,蕃書調所が翻訳して幕政当局に提出した。1862年(文久2)1月,幕府は御用書肆であった本所竪川三之橋の老皀(ろうそう)館に,これを《官板バタヒヤ新聞》と題して出版させた。…
…このような文の構造は〈ワク構造〉と呼ばれる。
[日本におけるドイツ語学習]
日本における本格的なドイツ語学習は,1860年(万延1)7月,プロシア(プロイセン)東洋遠征艦隊来航の際,蕃書調所(ばんしよしらべしよ)の市川斎宮(いつき)が〈独逸(どいつ)学〉を学ぶ公命を受け,それを機にドイツ語を学び始めた時をはじめとする。1862年(文久2)には洋書調所に独逸学科が開設され,この年,日本最初のドイツ語読本である《官版独逸単語篇》が出版された。…
※「蕃書調所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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