蕨餅(読み)ワラビモチ

デジタル大辞泉 「蕨餅」の意味・読み・例文・類語

わらび‐もち【×蕨餅】

蕨粉に水と砂糖を加えて練り、冷やし固めた餅。黄な粉をまぶして食べる。 春》
[類語]餅菓子菓子大福大福餅草餅栃餅柏餅桜餅道明寺葛切り葛餅葛桜鶯餅求肥ぎゅうひ求肥飴ぎゅうひあめ素甘すあま柚餅子ゆべし

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精選版 日本国語大辞典 「蕨餅」の意味・読み・例文・類語

わらび‐もち【蕨餠】

  1. 〘 名詞 〙 蕨粉で製した餠。蕨粉を火にかけて練り、冷やし固めて適当な大きさに切ったもの。黒蜜きな粉をまぶしたり餡(あん)を包んで食べる。近世東海道日坂(にっさか)名物としていた。わらびもちい。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「蕨餠一鉢、満福贈之」(出典蔭凉軒日録‐長享三年(1489)三月二二日)

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「蕨餅」の解説

わらびもち【蕨餅】

和菓子一種。わらび粉(わらびの根から取ったでんぷん)に水・砂糖を加え、火にかけて透明になるまでかき混ぜ、型に流し入れて冷やし固めたもの。適宜に切って、黒みつやきな粉をかけて食べる。◇わらび粉の生産量は非常に少なく、さつまいものでんぷんで代用することが多い。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「蕨餅」の意味・わかりやすい解説

蕨餅
わらびもち

餅菓子の一つ。わらびの根からとったデンプンを水に溶き,とろ火にかけて練ったのち,ちぎって蒸したもので,黄粉をつけて食べることが多い。春の季節菓子で,奈良の名物。

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世界大百科事典(旧版)内の蕨餅の言及

【葛餅】より

…本来は水溶きした葛粉を火にかけて練り,透明に糊化(こか)したものを適宜に切り,きな粉をかけて食べた。葛粉のかわりにワラビ粉を使えばワラビ餅である。いずれも江戸時代以前から行われていたもので,東海道の日坂(につさか)の宿(新坂,西坂とも。…

【ワラビ(蕨)】より

…根茎は地下深くを長く横走するので,斜面が焼かれても生きており,焼畑などでも早くから芽を伸ばしてくる。根茎からデンプンを取って作ったのがワラビ餅であるが,最近のワラビ餅はジャガイモなどのデンプンを使っている。葉柄は長いものでは1m近くになり,長い地下部は暗色で,褐色の毛をやや密につける。…

※「蕨餅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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