薩摩芋(読み)サツマイモ

デジタル大辞泉 「薩摩芋」の意味・読み・例文・類語

さつま‐いも【×薩摩芋/甘藷】

ヒルガオ科蔓性つるせいの多年草。地をはう茎の節から根が伸び、地中に大きい塊根をつくる。夏、アサガオに似た小花を開く。塊根を、食用のほかでんぷんアルコール原料にする。熱帯アメリカの原産で、日本には17世紀に伝わり、薩摩地方でよく栽培され、青木昆陽普及に努めた。多くの品種がある。かんしょ。からいもとういも。琉球いも。 秋 花=夏》「洗はれて紅奕々えきえきと―/草城
[類語]里芋八頭甘藷ジャガ芋馬鈴薯山芋山の芋長芋自然薯親芋種芋

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精選版 日本国語大辞典 「薩摩芋」の意味・読み・例文・類語

さつま‐いも【薩摩芋・甘藷】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ヒルガオ科のつる性多年草。中南米原産とされ、日本には江戸時代に中国・沖縄・薩摩を経て渡来、青木昆陽が救荒作物として普及につとめ広く栽培されるようになった。地下に肥厚した塊根(芋)があり、茎は細長く地をはい、長さ二メートルぐらいになる。葉はやや紫褐色で長柄を持った先のとがった心臓形で、時に鋸歯がある。暖地では夏、葉腋(ようえき)から花柄がのび、淡紅紫色で径約四センチメートルの漏斗状の花が四、五個ずつ咲く。芋は食用にされ、また澱粉、アルコール、焼酎(しょうちゅう)などの原料になる。漢名、甘藷。からいも。りゅうきゅういも。しまいも。とういも。さつま。《 季語・秋 》

▼さつまいもの花 《 季語・夏 》 〔俳諧・手挑灯(1745)〕

  1. [初出の実例]「琉球芋(サツマイモ)なら一本十六文(そくもん)(づつ)もしべいといふ」(出典:滑稽本・浮世床(1813‐23)初)
  2. ( は薩摩国が産地であるところから ) 薩摩国(鹿児島県)出身の人をののしっていう語。また、野暮(やぼ)な人をいう語。
    1. [初出の実例]「品川は山のいもよりさつまいも」(出典:雑俳・柳多留‐八(1773))

薩摩芋の補助注記

その名称は出身地・伝来経路に由来し、東日本から近畿・中国にかけて「サツマイモ」、九州北部から山口などにかけて「トウイモ唐芋)」、九州南部と四国の一部で「カライモ(唐芋)」、九州北西・中国・四国・能登などで「リュウキュウイモ」と称する。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「薩摩芋」の解説

薩摩芋 (サツマイモ)

学名Ipomoea batatas
植物。ヒルガオ科の多年草,園芸植物,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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