含水リン酸塩第一鉄鉱物の一つ。かつてメタ藍鉄鉱metavivianiteと同質異像関係にあるとされたが、この種においては、第二鉄が必須(ひっす)成分であることが合成実験などから確認され、同質異像関係は解消された。堆積(たいせき)岩中に団塊あるいは層状集合をなし、その中に細脈として発達することもある。またある種の熱水鉱脈鉱床、花崗(かこう)岩質ペグマタイト中にも産する。自形は平行四辺形の側面をもった板状、あるいは柱状をなし、中空あるいは緻密(ちみつ)な球顆(きゅうか)状集合をつくることもある。本来は無色透明だが、空気に触れると急速に藍青色に変化する。日本でのおもな産出は、兵庫県神戸市押部谷(おしべだに)の堆積岩中、栃木県足尾鉱山(閉山)の熱水鉱脈中など。英名ビビアナイトは発見者であるイギリスの鉱物学者ビビアンJohn Henry Vivian(1785―1855)にちなむ。
[加藤 昭 2018年12月13日]
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