藩籬（読み）ハンリ

デジタル大辞泉

はん‐り【藩^×籬】

１ 「藩屏はんぺい1」に同じ。
２ 「藩屏はんぺい2」に同じ。
「ラファエルは、始終宗教の―に頼りしが故に」〈抱月・囚はれたる文芸〉
３ 他と隔てるもの。
「博愛を唱えてみだりに―を作り」〈蘆花・思出の記〉
４ 学問・芸術などの糸口。初歩的な段階。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

はん‐り【藩籬・&GI206D;籬・樊籬】

1. 〘 名詞 〙 ( 「藩」「」「樊」ともに、まがきの意 )
2. ① 垣根。かこい。塀。
   1. [初出の実例]「翥翮籬、何能知有九万之鵬」(出典：三教指帰（797頃）下)
   2. 「尽く其徒を集め、藩籬を厳にし」(出典：公議所日誌‐一五上・明治二年（1869）五月)
   3. [その他の文献]〔竇牟‐秋夕閑居対雨詩〕
3. ② ( ①が外部から守るものであるところから ) 守護するもの。保衛。特に、王家を守護するもの。
   1. [初出の実例]「夫吾山者為_二七社応化之霊地_一、作_二百王鎮護之藩籬(ハンリ)_一」(出典：太平記（１４Ｃ後）八)
   2. [その他の文献]〔賈誼‐過秦論上〕
4. ③ 他とわけへだてるもの。
   1. [初出の実例]「四海兄弟の原則は端なく国民と云へる藩籬を忘れしめ」(出典：真善美日本人（1891）〈三宅雪嶺〉国民論派〈陸実〉)
5. ④ 学問などの初歩的な段階。門。
   1. [初出の実例]「某天性魯鈍。緇素叵_レ弁也。如_レ是之作体。争得_レ至_二其藩籬_一」(出典：異制庭訓往来（１４Ｃ中）)
   2. [その他の文献]〔史通〕

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【藩籬】はんり

まがき。奥をのぞく入口。門戸。宋・寛父〔詩話〕王（安石）、年に亦た（李）義山の詩を喜ぶ。以爲(おも)へらく、人の、老杜（杜甫）を學ぶことを知りて、其の籬を得たるは、惟だ義山一人のみと。

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出典　平凡社「普及版 字通」