精選版 日本国語大辞典 「藻場」の意味・読み・例文・類語
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海洋の沿岸の浅所に生育する沈水性の海草(海産顕花植物)や大形海藻の群落を藻場とよぶ。藻場には大別して、波の静かな沿岸や内湾の砂泥地に生育するヒルムシロ科のアマモの群落のアマモ場(またはアジモ場)と、外海沿岸の岩礁地帯に生育するホンダワラ類で形成されるガラモ場がある。そのほか、アラメ・カジメ類、コンブ類などの大形褐藻類の群落があるが、それらはその形状から海中林とよばれている。これらの藻場は、景観的に目だつばかりでなく、活発に光合成を行い、沿岸における有力な一次生産者であることや、微小動物から魚類に至る複雑豊富な生物相を有することで、沿岸生態系のなかで重要な位置を占めている。藻場には多くの魚類が集まるが、その理由は十分に解明されていない。藻場の存在している海域では、水中の溶存酸素量、有機物が増加し、珪藻(けいそう)類、小型藻類、小型エビ類、端脚(たんきゃく)類、等脚類などの小型甲殻類、小型巻き貝、コケムシ類、ヒドロ虫類など、おびただしい種類と量の生物が藻の表面に付着し、魚類にとっては食物が豊富で、摂食場所としての意義がある。また藻場の存在が稚魚を外敵から守る役割をも果たしている。ギンポやハゼ類の仲間のように藻場で終生を過ごす魚類もあるが、クロダイ、スズキ、メバル、アイナメなどのように、その生活史の初期段階を藻場で過ごす重要魚族も多く、これらの場所を保護する必要がある。しかし、藻場の存在する沿岸浅所は工場立地としても適しているため、多くの場所で埋立てが行われ、あるいは水質汚濁などによってアマモ場が消失している。さらに、アイゴなどの魚類やウニ類など藻食性生物によって海中林を形成しているアラメ・カジメが被害を受け、磯焼け状態になっている海域も多い。このため人工的に藻場を造成する試みがなされている。
[吉原喜好]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…花期は日本の本州では4~5月。世界の北半球の温帯~寒帯の海岸に広く分布し,貝や稚魚の育つ藻場を形成するが,これはアマモ場またはアジモ場と呼ばれる。また根茎や若芽に甘味があるため食べられ,甘藻の名がある。…
※「藻場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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