蛇踊(読み)ジャオドリ

デジタル大辞泉 「蛇踊」の意味・読み・例文・類語

じゃ‐おどり〔‐をどり〕【蛇踊(り)】

長崎市諏訪神社のおくんち(長崎くんち)などで行われる民俗芸能蛇腹胴じゃばらどう張り子の竜を、十数人が棒で支え持って、はやしながら練り回る。もと中国から伝わったものという。
[補説]長崎くんちでは「竜踊り」と書く。

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精選版 日本国語大辞典 「蛇踊」の意味・読み・例文・類語

じゃ‐おどり‥をどり【蛇踊】

  1. 蛇踊〈雲錦随筆〉
    蛇踊〈雲錦随筆〉
  2. 〘 名詞 〙 江戸時代中国から伝わったという踊り。正月一五日、上元日に行なう。布や紙などで張子の大きな龍を作り、数人または十数人が竿で頭上にささげて、ねり歩く。現在、長崎市の「おくんち」に残る龍踊(じゃおどり)が有名。
    1. [初出の実例]「正月十五日〈略〉唐館におゐて蛇(ジャ)おとりといふ事あり」(出典長崎歳時記(1797))

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改訂新版 世界大百科事典 「蛇踊」の意味・わかりやすい解説

蛇踊 (じゃおどり)

民俗芸能。風流(ふりゆう)芸(風流)の一種で長崎市諏訪神社の俗におくんち(お九日)と呼ばれる秋祭(10月)に行われる。異国情緒の代表的な練り風流で,1975年から竜(じや)踊と書く。〈道行〉〈づくろ〉〈玉追〉の次第で進行するが,竜の作り物は10mにも及び,唐人服を着た10人の竜遣いが六尺棒で竜の体を支えて練りまわる。明清楽(みんしんがく)の竜囃子に囃され玉遣いの玉を追って,宙を舞うように演じる。蛇踊は本籠町と諏訪町が7年交替で演じていたが,1973年から筑後町が新参し,現在は毎年当番を決めて担当している。蛇踊はもと中国で雨乞神事や上元(じようげん)祭などに行われていたもので,享保(1716-36)ごろ長崎に来住の唐人が,唐人屋敷での上元祭に行っていたのを伝受したものだという。
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百科事典マイペディア 「蛇踊」の意味・わかりやすい解説

蛇踊【じゃおどり】

10月7〜9日の長崎のお九日に奉納される異国風の踊り。長崎在住の中国人たちが行っていたもので,唐人服を着た10人の遣手(つかいて)が長さ11mほどの大蛇(だいじゃ)をささえ,先頭の玉遣の持つ玉を追う動作銅鑼(どら),チャルメラ,鉦(かね)などの囃子(はやし)に合わせて演じる。

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