(読み)ガ

デジタル大辞泉 「蛾」の意味・読み・例文・類語

が【×蛾】

鱗翅りんし目の昆虫のうち、チョウ類を除いたものの総称。主に、夜間活動し、胴が太く地味な色で、触角は糸状・羽毛状・くしの歯状などをし、静止するときにチョウのようにはねを立てないものをいう。幼虫毛虫芋虫が多く、さなぎになるときにを作るものが多い。日本には約5000種が分布カイコガハマキガドクガスズメガヤガシャクガヒトリガなど。 夏》

が【蛾】[漢字項目]

[音]ガ(呉)(漢) [訓]ひむし
昆虫の名。ガの総称。「蛾眉がび穀蛾灯蛾毒蛾誘蛾灯

ひいる〔ひひる〕【×蛾】

古称。特に、かいこの蛾をいう。
愚人ふける所は、―の火にるが如し」〈霊異記・下〉

ひ‐むし【×蛾】

蚕のさなぎ。また、その羽化したもの。ひひるむし。
夏虫の―の衣二重着てかくみ宿りはあに良くもあらず」〈仁徳紀・歌謡〉

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精選版 日本国語大辞典 「蛾」の意味・読み・例文・類語

が【蛾】

  1. 〘 名詞 〙 チョウ(鱗翅)目の昆虫のうち、チョウ類を除いたものの総称。形、大きさなどチョウによく似ているが、ふつう体が太く、鱗片が密生し、はねは比較的狭く、一部のものを除き、はねを広げたまま止まり、夜間に活動するなどの点で区別される。色は一般に地味で、触角はくし状、羽毛状、葉状などある。卵、幼虫、さなぎ、成虫と完全変態し、幼虫はイモムシかケムシ形。カイコによる生糸ヤママユガによる天蚕糸(てぐす)の生産など益虫もいるが、作物の葉を食害するものが多い。メイガ、シャクガ、ドクガ、ミノガなど日本では約五〇〇〇種が知られる。《 季語・夏 》 〔八雲御抄(1242頃)〕
    1. [初出の実例]「蛾(ガ)と云ふ虫のあまた明障子(あかりしゃうじ)に取り付きたるを」(出典太平記(14C後)二)
    2. [その他の文献]〔黄庭堅‐渓上吟〕

ひ‐むし【蛾・火虫】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 蛾 ) 蛾(が)。特に、蚕(かいこ)のさなぎが羽化して蛾となったもの。また、蚕のさなぎ。
    1. [初出の実例]「夏蚕(むし)の 譬務始(ヒムシ)の衣 二重着て 隠み宿りは 豈良くもあらず」(出典:日本書紀(720)仁徳二二年正月・歌謡)
  3. 夏の夜など灯火に集まる蛾などの虫。火取り虫。《 季語・夏 》 〔俳諧・俳諧歳時記(1803)〕

蛾の補助注記

を「火虫」の意とする説は、上代、「蛾(ひむし)」の「ひ」が甲類音であるのに対し「火(ひ)」が乙類音であるところから誤り。


ひいるひひる【蛾】

  1. 〘 名詞 〙 昆虫の蛾(が)の古称。後には多く、蚕の蛹(さなぎ)の羽化した、蚕蛾(かいこが)をいう。
    1. [初出の実例]「越前(こしのさき)の国(くに)の司(みこともち)、白蛾(ヒヒル)献れり」(出典:日本書紀(720)持統六年九月(北野本南北朝期訓))

ひひる【蛾】

  1. 〘 名詞 〙ひいる(蛾)

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普及版 字通 「蛾」の読み・字形・画数・意味


13画

(異体字)
19画

[字音] ガ・ギ
[字訓] はねあり

[説文解字]

[字形] 形声
声符は我(が)。正字はに作り、〔説文〕十三下に「して飛ぶ蟲なり」とあって、蚕蛾をいう。字はまた蛾に作る。すべて蛹(よう)(さなぎ)より羽化するものを、みな蛾という。別に虫部十三上に「蛾は羅なり」とあり、羅もまた蚕蛾、重出の字である。

[訓義]
1. が、かいこのちょう、ひむし。
2. また蟻(ぎ)に作り、あり、はねあり。

[古辞書の訓]
和名抄〕蛾 比々流(ひひる)〔名義抄〕蛾 ヒヒル

[熟語]
蛾蛾・蛾鬟・蛾月・蛾子・蛾而・蛾翠・蛾黛蛾眉・蛾揚・蛾羅・蛾緑・蛾術・蛾賊・蛾附・蛾傅
[下接語]
火蛾・穀蛾・蚕蛾・残蛾・燭蛾・新蛾・蛾・翠蛾・青蛾・夕蛾・繊蛾・素蛾・双蛾・黛蛾・澹蛾・蟄蛾・長蛾・灯蛾・毒蛾・白蛾・飛蛾・蛾・文蛾・夜蛾・揚蛾・緑蛾

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動植物名よみかた辞典 普及版 「蛾」の解説

蛾 (ガ)

動物。チョウ目に属する昆虫で,チョウ以外のものの総称

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