蜀黍(読み)モロコシ

デジタル大辞泉 「蜀黍」の意味・読み・例文・類語

もろ‐こし【蜀黍/唐黍】

イネ科一年草。高さ約2メートル。茎は円柱形で節があり、葉は長大で互生する。夏、茎の頂に大きな穂を出し、赤褐色の小さな実が多数できる。実は酒・菓子などの原料飼料にもする。アフリカ原産で、古くから作物として栽培。高粱コーリャン。もろこしきびたかきび。とうきび。 秋》
[類語]あわひえきびコーリャン

しょく‐しょ【××黍】

モロコシ別名

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精選版 日本国語大辞典 「蜀黍」の意味・読み・例文・類語

もろ‐こし【蜀黍・唐黍】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( もろこし(唐土)より渡来したところから ) イネ科の一年草。アフリカ原産で、日本へは中国を経て渡来し、広く栽培されている。高さ一・五~三メートル。稈(かん)の節に短毛を生じる。葉は線状披針形、長さ約六〇センチメートル。夏、梢頭に長さ二〇~三〇センチメートルの円錐状の花穂をたてる。小穂は卵形で赤褐色。子実は白・赤褐色・黒色など。「もち」と「うるち」の別があり、子実を粉末にして餠や団子をつくる。漢名、蜀黍。たかきび。もろこしきび。とうきび。《 季語・秋 》 〔物類称呼(1775)〕 〔日本植物名彙(1884)〕
  3. もろこしもち(蜀黍餠)」の略。〔女重宝記(元祿五年)(1692)〕
  4. とうもろこし(玉蜀黍)」の略。
    1. [初出の実例]「百旦那もろこしをむくごとくなり」(出典:雑俳・川柳評万句合‐明和元(1764)天二)

蜀黍の補助注記

の別名トウキビ唐黍)もモロコシ同様中国から伝来したことによる名。日本に古くからあったキビ(黍)に対して、背が高いところからタカキビとも言う。


しょく‐しょ【蜀黍】

  1. 〘 名詞 〙 植物「もろこし(蜀黍)」の漢名。〔薬品手引草(1778)〕

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動植物名よみかた辞典 普及版 「蜀黍」の解説

蜀黍 (モロコシ)

学名Sorghum bicolor var.bicolor
植物。イネ科の一年草

蜀黍 (トウキビ)

植物。イネ科の一年草,園芸植物,薬用植物トウモロコシ別称

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普及版 字通 「蜀黍」の読み・字形・画数・意味

【蜀黍】しよくしよ

とうきび。

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