蝌蚪(読み)カト

デジタル大辞泉 「蝌蚪」の意味・読み・例文・類語

か‐と〔クワ‐〕【××蚪/科斗】

おたまじゃくし別名 春》「森深く孤独の―の尾が沈む/斌雄」
《へらにをつけて竹簡に書いた文字の線が、初めが太く先細りとなり、1の形に似るところから》中国古代の字体の一。古体篆字てんじのこと。蝌蚪文字

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精選版 日本国語大辞典 「蝌蚪」の意味・読み・例文・類語

か‐とクヮ‥【蝌蚪・科斗】

  1. 〘 名詞 〙
  2. おたまじゃくし(御玉杓子)」の異名。かとう。《 季語・春 》 〔薬品手引草(1778)〕
    1. [初出の実例]「蝌蚪生(あ)れて畝火の溝におよぐなり」(出典凍港(1932)〈山口誓子〉)
    2. [その他の文献]〔荘子‐秋水〕
  3. 中国の古体篆字(てんじ)の称。筆紙がまだ行なわれないで、竹簡に漆で文字を書いたため、粘って文字の線の最初が大きく、末が細く、その形がおたまじゃくしに似ていたところからいう。蝌蚪文字(かともんじ)
    1. [初出の実例]「詔曰、書称科斗懋遷之訓斯彰 簡号韋編」(出典:日本三代実録‐貞観元年(859)四月二八日)
    2. [その他の文献]〔後漢書‐廬植伝〕

がいる‐ごろがひる‥【蝌蚪】

  1. 〘 名詞 〙 おたまじゃくし。
    1. [初出の実例]「ありゃ蝌蚪(ガイルゴロ)ぢゃはい」(出典:浄瑠璃物ぐさ太郎(1749)二)

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普及版 字通 「蝌蚪」の読み・字形・画数・意味

【蝌蚪】か(くわ)と

おたまじゃくし。科斗。科斗文古代文字の一。〔爾雅翼、蝌蚪〕魯の恭王、孔子宅を壞(こぼ)ち、壁中に於て孔子先人のするの古~を得たり。皆蝌蚪字なり。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「蝌蚪」の解説

蝌蚪 (オタマジャクシ)

動物カエルの幼生名

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