① ヒキガエル科の大形のカエル。体長一〇~二〇センチメートルにもなる。体は太く、四肢は比較的短い。皮膚は粗くて背面に大小のいぼ状突起がある。背面はふつう暗褐色または黄褐色で、体側に黒い帯状の斑があり、腹面は黄灰色の地に暗色の斑紋がある。後頭の両側にある隆起(耳腺)から白色の乳状毒液を分泌。動作はのろく、夜出て昆虫・ミミズなどを捕食。温帯では土中で冬眠し、春、水田や池沼に長いひも状の卵塊を産む。アジア・ヨーロッパ・アメリカ・アフリカに広く分布する。姿が不気味なので嫌われる。
② 特にニホンヒキガエルをさす。本州・四国・九州などに分布。皮膚から分泌する毒液はがまの油や六神丸として薬用にされる。がま。ひき。がまがえる。いぼがえる。ひきがいる。おおひき。《 季語・夏 》 〔色葉字類抄(1177‐81)〕