精選版 日本国語大辞典 「血球」の意味・読み・例文・類語
けっ‐きゅう ‥キウ【血球】
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血液中に浮遊している細胞で、赤血球、白血球、血小板に大別されるが、白血球はさらに多くの型の血球の総称である。ヒトでは1立方ミリメートル中に、赤血球数は男500万、女450万、白血球は6000~8000、血小板は25万~35万である。
(1)哺乳(ほにゅう)類の赤血球は非運動性の非常に特殊化した細胞で、ヘモグロビンで満たされ、ラクダなど一部の動物を除いて核や小器官を失っている。ヒトの赤血球は両面がへこんだ直径約7マイクロメートルの円板形である。哺乳類以外の脊椎(せきつい)動物の赤血球は有核で、楕円(だえん)形のものが多く、大きさの面でもある種の有尾両生類ではヒトの赤血球の10倍ほどの長さをもつ。無脊椎動物では赤血球は比較的まれで、多毛類、シャミセンガイなどヘムエリトリンをもつ動物だけにみられる。
(2)白血球は運動性の細胞で、血流から結合組織中に出てアメーバ状に運動する。核の形、顆粒(かりゅう)成分などに特徴があって種類の識別ができる。白血球の機能のうちもっとも重要なものは抗体産生および食細胞運動によって外部からの侵入者に対して動物体を保護することである。白血球は顆粒球と無顆粒球とに分類され、顆粒球はさらにその染色性から、酸好性、塩基好性、中性好性の3種に分けられる。無顆粒球にはリンパ球と単球が含まれ、リンパ球は比較的小さく核が細胞質の薄い層によって包まれている。リンパ球には骨髄性のBリンパ球(B細胞)と胸腺(きょうせん)性のTリンパ球(T細胞)があり、見たところ区別できないが、免疫反応における役割の分担をしている。単球は大形の細胞で組織中に出てマクロファージ(大食細胞)となり、肝臓のクッパー細胞などでは特定の器官の内皮に定着する。哺乳類以外の脊椎動物にも白血球が存在するが、酸好性や塩基好性の顆粒球をもたない動物もある。無脊椎動物の白血球には呼吸色素を含んでいるものもある。
(3)血小板は巨核細胞からちぎれて生じた細胞片で、血液凝固に必要である。哺乳類以外の脊椎動物では有核で紡錘形のトロンボ細胞(栓球)が血小板にあたる。
血球は発生の途中で血島として出現するが、成体では骨髄の造血組織でつくられ、血中に放出される。しかし有袋類やマウスでは脾臓(ひぞう)でも赤血球がつくられる。赤血球の生産は出血、低酸素圧などに反応して増加するが、これは腎臓(じんぞう)で生産されるエリスロポエチンというホルモンによって造血組織が刺激されることによる。赤血球の寿命はヒトでは普通120日ぐらいである。
[大岡 宏]
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…献血に際しては,比重が1.052以下の場合は不適格とされる。
[血球haemocyte(blood corpuscle)]
血漿の中に浮遊している血液固有の細胞を血球といい,赤血球,白血球,血小板の3種類に大別される。耳たぶや皮下の静脈などの末梢血管から採った血液(これを末梢血という)について数の割合を調べてみると,白血球1に対して,血小板25,赤血球500である。…
…献血に際しては,比重が1.052以下の場合は不適格とされる。
[血球haemocyte(blood corpuscle)]
血漿の中に浮遊している血液固有の細胞を血球といい,赤血球,白血球,血小板の3種類に大別される。耳たぶや皮下の静脈などの末梢血管から採った血液(これを末梢血という)について数の割合を調べてみると,白血球1に対して,血小板25,赤血球500である。…
…一般に血液は有形成分と無形成分に区別される。前者は細胞成分,すなわち血球であり,後者は細胞成分を除いた液体成分,すなわち血漿(けつしよう)成分である。下等無脊椎動物の血液は,組織液と同じく無色透明なものが一般であるが,呼吸色素をもつ細胞(赤血球)や血漿内にある呼吸色素の色により,青色あるいは赤色を呈する。…
※「血球」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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