行き摩り(読み)ユキズリ

デジタル大辞泉 「行き摩り」の意味・読み・例文・類語

ゆき‐ずり【行き摩り/行き×摺り】

出会ってすれちがうこと。「―にちらりと見る」
通りかかったついで。通りすがり。「―の店で買う」
ほんのちょっとした関係で終わること。かりそめのこと。「―の恋」
[類語]通り掛け通り掛かり通りすがり道すがら道中道道みちみち途中途上途次中途行き掛け路次道草行き掛かり帰りしな帰りぎわ帰り掛け帰るさ寄り道半ばついでついでにちなみに念のため手ついでがてらかたがたかたわら

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精選版 日本国語大辞典 「行き摩り」の意味・読み・例文・類語

ゆき‐ずり【行摩・行摺】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 出会ってすれ違うこと。通りすぎるとき触れあうこと。また、通りがかりに触れて色や香りが染みつくこと。
    1. [初出の実例]「なごの海のと渡る舟の行すりにほの見し人の忘られぬかな」(出典:俊忠集(1123頃))
  3. 道をたどるついで。通りすがり。
    1. [初出の実例]「ゆきずりにあと尋ぬれば消えにけりいつから越の方にかありけむ」(出典:小大君集(1005頃))
  4. おろそかなこと。かりそめのこと。なにかのついでにすること。
    1. [初出の実例]「着て馴るるとはなけれ共小忌衣ゆきすりにみて年ぞ経にける」(出典:類従本長暦二年晩冬権大納言師房歌合(1038))

いき‐ずり【行摩・行摺】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 道を歩いていてすれちがうこと。通りすがり。ゆきずり。
  3. その場かぎりのこと。ゆきずり。

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