行先(読み)ユキサキ

デジタル大辞泉 「行先」の意味・読み・例文・類語

ゆき‐さき【行(き)先】

ゆくさき1」に同じ。「行き先を決めず旅に出る」
ゆくさき2」に同じ。「息子行き先を案じる」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「行先」の意味・読み・例文・類語

ゆく‐さき【行先】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 向かって行く先。進んで行く前方目的地。ゆくかた。ゆくて。
    1. [初出の実例]「闇の夜の由久左伎(ユクサキ)知らず行くわれをいつ来まさむと問ひし児らはも」(出典:万葉集(8C後)二〇・四四三六)
    2. 「ゆくさきおほく夜もふけにければ」(出典:伊勢物語(10C前)六)
  3. 今後のなりゆき。先の有様将来前途。ゆくすえ。
    1. [初出の実例]「兼ねて未然(ユクサキ)を知しめす」(出典:日本書紀(720)推古元年四月(岩崎本平安中期訓))
    2. 「乱暴で乱暴で行く先が案じられると母が云った」(出典:坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉一)
  4. 特に、間近に迫っていること。すぐ先。目前(もくぜん)
    1. [初出の実例]「是から合力請てそこそこにも行先(ユクサキ)の年を越べきか」(出典:浮世草子・世間胸算用(1692)三)
  5. 死に至る時期。余命
    1. [初出の実例]「昼夜の明け晦るる毎に前(ユクサき)の塗(みち)も徐く近づきぬ」(出典:東大寺諷誦文平安初期点(830頃))

いく‐さき【行先】

  1. 〘 名詞 〙
  2. すすんでゆく先の方向地点。目的地。いきさき。ゆくて。ゆくさき。
  3. 世の中または一身行く末。前途。将来。ゆくさき。
    1. [初出の実例]「今陛下富春秋と云は、いくさきに春秋を、づばともったぞ」(出典:史記抄(1477)五)
  4. その時よりも前。以前。
    1. [初出の実例]「あれ丈に同一事が、未然(イクサキ)に書いて知らしてありたら」(出典:大本神諭‐火之巻(1920)〈出口ナオ〉大正六年旧八月二二日)

ゆき‐さき【行先】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 進み行く先。行くべきところ。目ざす場所。目的地。また、行った先。ゆくえ。ゆくさき。いきさき。〔名語記(1275)〕
  3. 前途。未来。将来。ゆくすえ。

いき‐さき【行先】

  1. 〘 名詞 〙 行く先。向かって進んで行く方向、地点。ゆきさき。

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