(読み)ジュツ

デジタル大辞泉 「術」の意味・読み・例文・類語

じゅつ【術】

人が身につける特別の技。技術。「剣の
手段方法。てだて。すべ。「もはや施すもなし」
策略。計略。はかりごと。たくらみ。「をめぐらす」
人知をこえた不思議なわざ。忍術魔術妖術など。「透視」「奇怪なをつかう」
[類語]方法仕方り方仕振り仕様しようよう方式流儀り口でん致し方手段手口メソッド方途機軸定石てだて方便術計

じゅつ【術】[漢字項目]

[音]ジュツ(慣) [訓]すべ わざ
学習漢字]5年
方法。手段。すべ。「術策術数仁術戦術秘術
わざ。技芸。「学術奇術技術芸術剣術算術手術忍術馬術美術魔術話術
[名のり]てだて・みち・やす・やすし

すべ【術】

目的を遂げるための手段。方法。てだて。「施すも知らない」「なすがない」
[類語]仕方方法やり方仕様致し方手口やり口メソッド方途機軸定石てだて方式方便術計

ばけ【術】

《「化け」と同語源》てだて。すべ。みち。方法。
百姓おほみたからゆたかにする―あらば」〈天武紀〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「術」の意味・読み・例文・類語

じゅつ【術】

  1. 〘 名詞 〙
  2. わざ。技芸。また、学問。学術。
    1. [初出の実例]「佞(ねい)にして奸(かん)にして智あり勇あり術あり、どうもこなされぬ大将ゆへ、とうと天下を総追捕使じゃ」(出典随筆・胆大小心録(1808)四八)
  3. 方法。てだて。手段。すべ。また、生活の手段。
    1. [初出の実例]「千茎芝蘭駐老之方。百節昌蒲延齢之術」(出典:続浦島子伝記(920)九光芝草)
    2. 「一日の中に三度戦の術(ジュツ)を教へんに」(出典:太平記(14C後)二二)
    3. [その他の文献]〔戦国策‐韓策・昭侯〕
  4. 策略。たくらみ。はかりごと。
    1. [初出の実例]「袴の肩もきっとせし目のうち鋭き術ある人相」(出典:浄瑠璃・本朝二十四孝(1766)一)
  5. 修験者(しゅげんじゃ)や陰陽師などの、まじないの法。まじない。妖術。魔法。
    1. [初出の実例]「病極めて重き者の、薬ばかりにてはと疑ひて服せずは、耆婆がじゅつも扁鵲が医方も益あるべからず」(出典:寛永版曾我物語(南北朝頃)一二)
    2. [その他の文献]〔史記‐封禅書〕
  6. 忍者などが用いる忍び込むための方法。忍びの術。忍術。
    1. [初出の実例]「其容㒵(ようぼう)賤からざる者の、何故かかる術(ジュツ)をなして、我後宮へ忍び入たりや」(出典:談義本・風流志道軒伝(1763)四)

すべ【術】

  1. 〘 名詞 〙 なすべき手だて。そうすればよいというしかた。手段。方法。多く打消を伴って用いられる。
    1. [初出の実例]「言はむ須部(スベ)もなく為(せ)む須倍(スベ)もしらに」(出典:続日本紀‐宝亀二年(771)二月二二日・宣命)
    2. 「なすすべもわからず呆然としているだけであった私は」(出典:人形愛(1976)〈高橋たか子〉一)

ばけ【術】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ばけ(化)」と同語源 ) てだて。はかりごと。手段。じゅつ。みち。
    1. [初出の実例]「鞍作の得志、虎を以て友と為て其の術(ハケ)を学ひ取れり」(出典:日本書紀(720)皇極四年四月(岩崎本平安中期訓))

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