精選版 日本国語大辞典 「表意文字」の意味・読み・例文・類語
ひょうい‐もじ ヘウイ‥【表意文字】
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各字の示す単位が語形の段階にとどまり、それよりさらに細かく分割して示すことのない文字体系。いわゆる象形文字hieroglyph、すなわちシュメール文字やエジプト文字に加えて漢字もそれにあたるとされる。ところが、漢字は一面からみれば、音節文字である。漢語の基本語彙(ごい)はすべて一音節語で、したがって漢字の各字は音としては1音節を表示する(ゲルブI. J. Gelbのいう表音文字である)。しかし、古代文字の解読者たちは、漢字やシュメール文字やエジプト文字の字源の表意的な特徴をとらえて、とくに表意文字ideographとよんだのである。それに伴って表音的な特徴をも認め、表音文字phonographとした。それらは、古代文字の体系のなかで字源のあり方を対比させたものである。後漢(ごかん)の許慎が『説文(せつもん)解字』に示した字源説、六書(りくしょ)のうち、象形・指示を「文(すがた)」とし、形声・会意を「字(とりあわせ)」とする。さらに、転注は「文」や会意とともに表意に、仮借(かしゃ)は形声とともに表音にあたり、表音が圧倒的に多い。しかも、表意文字も語を表す限りにおいて表音機能を併せ維持している。しいて純粋な表意文字を求めるなら、文字以前の絵文字pictographの段階に立ち戻らなければなるまい。文字ともなれば、すでに、(a)一定の語形との結び付きと、(b)表音的な当て字(すなわち仮借)とに踏み込んでいるからである。
[日下部文夫]
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表語文字ともいう。漢字,ヒエログリフ,楔形文字,古代アメリカ文字のように,絵文字から発生し語の意味を表現する文字。表意文字のみで一つの言語を表記しつくすのは困難なので,表意文字の一部は表音的に運用されるようになり,やがて表意文字の字形を母胎とする表音文字の体系(アルファベット,仮名など)が生まれた。ただしこの最後の過程は,表意文字の発生地ではなく周辺部において起こった。
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…過去3000年にわたって同じ文字が断絶することなく用いられてきたことは,中国文化の特異な一面を物語っている。
【漢字の特質】
通説によれば漢字は他の古代文字と同じく表意文字ideographの段階にあるといわれる。表意文字とは1字がある音を表す表音文字に対して,1字がある観念ideaを表す文字で,たとえば漢字の〈日〉は太陽の観念を表すようなものである。…
…文字が(音声)言語を表記するものであるといわれるのはこのような意味においてである。したがって,文字の分類として常識的に行われている〈表意文字〉と〈表音文字〉との別は,後にも述べるように,〈文字〉の性質を正しく表すものといえない。表意的とか表音的とかいう性質は体系としての〈文字〉についてみられるのではなくて,それぞれの体系を構成している個々の要素である〈字〉についていわれることなのである。…
※「表意文字」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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