精選版 日本国語大辞典 「被疑者」の意味・読み・例文・類語
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捜査を受けていて、いまだ公訴を提起されていない自然人または法人をいう。検察官、検察事務官または司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。ただし、被疑者は、逮捕または勾留(こうりゅう)されている場合を除いては、出頭を拒み、または出頭後いつでも退去することができる(刑事訴訟法198条1項)。この取調べに際しては、被疑者に対し、あらかじめ、自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければならない(供述拒否権、同法198条2項)。他方、被疑者は、いつでも弁護人を選任することができる(弁護人依頼権、同法30条1項)。被疑者の国選弁護人は、被疑者の請求によって選任される場合と裁判所の職権によって選任される場合とがある。請求による選任は、被疑者に対して勾留状が発せられている場合において、被疑者が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないとき、裁判官が、その請求により被疑者のため弁護人を付さなければならない(同法37条の2第1項)。2016年(平成28)の刑事訴訟法改正以前は、国選弁護人の選任を請求できる事件が死刑または無期もしくは長期3年以上の懲役もしくは禁錮にあたる事件に限られていたが、上記法改正によりこの限定がなくなり、すべての事件について一定要件の下で国選弁護人の選任を請求することができることとなった。職権による選任は、裁判官が、精神上の障害その他の事由により弁護人を必要とするかどうかを判断することが困難である疑いがある被疑者について、必要があると認めるときは、職権で弁護人を付することによってなされる(同法37条の4)。弁護人または弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者と立会人なくして接見することができる(接見交通権、同法39条1項、ただし同法39条3項参照)。また、証拠保全請求権も認められている(同法179条)。
[内田一郎・田口守一 2018年4月18日]
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… 刑事補償法による補償とは別に,無罪となった者は,刑事訴訟法(188条の2以下)によって,弁護士報酬など一定の範囲の裁判費用の補償を受けることができる。また,被疑者として身柄を拘束されながら起訴されず,したがって無罪の裁判も受けなかった者には,刑事補償の請求は認められていないが,1957年の被疑者補償規程(法務省訓令)によって,一定の場合にこれに代わる補償が行われている。以上の制度によって塡補(てんぽ)されない損害については,国家賠償の請求ができるが,そのためには手続に関与した公務員に違法な行為と故意または過失のあったことが認められなければならない。…
※「被疑者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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