製鋼(読み)セイコウ

デジタル大辞泉 「製鋼」の意味・読み・例文・類語

せい‐こう〔‐カウ〕【製鋼】

[名](スル)銑鉄原料として鋼鉄製造すること。また、その鋼鉄。
[類語]精錬冶金製鉄

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精選版 日本国語大辞典 「製鋼」の意味・読み・例文・類語

せい‐こう‥カウ【製鋼】

  1. 〘 名詞 〙(はがね)をつくること。銑鉄(せんてつ)を主原料にして、平炉転炉などの製鋼炉で、硫黄・燐(りん)その他不純物を除くと鋼が得られる。電気炉では主として屑鉄を原料とする。〔海軍工廠条例(明治三六年)(1903)〕

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百科事典マイペディア 「製鋼」の意味・わかりやすい解説

製鋼【せいこう】

銑鉄を精錬し,含有炭素量を2%以下に引き下げ,リン,硫黄,ケイ素などの不純物を除去して鋼にすること。製鋼炉としては,従来,平炉を用い,溶けた銑鉄と屑鉄(くずてつ)を配合して装入することが多かったが,今日では溶けた銑鉄を主原料とする転炉,特にLD転炉が最も多く使われる。また特殊鋼の製造は屑鉄を原料として電気炉(電気製鋼炉)で行われる。
→関連項目屑鉄混銑炉製鉄銑鋼一貫作業鉄鋼鉄鋼業フェロアロイ連続製鋼法

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「製鋼」の意味・わかりやすい解説

製鋼
せいこう
steel making

銑鉄,屑鉄,また鉄鉱石に,造滓溶剤,マンガン鉱,また目的に応じて合金鉄を加え,溶錬して鋼を製造する工程。炉は転炉電気炉が多く用いられる。原料中の過剰の炭素その他の成分,不純物は酸化により除去されるが,生成酸化物中炭酸ガスなどの気体は揮散し,他は溶剤と結合して鋼滓となる。それで操業のポイントは造滓作業にある。鋼滓の塩基度 (→鉱滓 ) により,塩基性操業と酸性操業があり,それにより炉の耐火材料も異なる。以前は高級鋼種の製造に酸性平炉が用いられたが,近年は塩基性操業が進歩したので,ほとんど塩基性製鋼で,炉は平炉から転炉に移り,酸化送風も空気から純酸素になっている (→LD転炉法 ) 。

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世界大百科事典(旧版)内の製鋼の言及

【鉄鋼業】より

…コークス高炉の発展はイギリス産業革命を促進する重要な一契機となった。しかし,高炉によって製造されるのは銑鉄であり,鍛造がきく鋼を製造するためには新たに製鋼という工程を別に経過することが必要になった。古代・中世の鉄鋼技術が直接製鉄法であったのに対し,高炉出現後の近代鉄鋼技術の基本体系は,製銑→製鋼という2段階の精錬を要する間接製鉄法に転換したのである。…

※「製鋼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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