見送る(読み)ミオクル

デジタル大辞泉 「見送る」の意味・読み・例文・類語

み‐おく・る【見送る】

[動ラ五(四)]
遠ざかる物や人をその後方で眺める。「飛行機を―・る」「玄関先で客を―・る」
訪れた人が帰るのにある場所までついていく。「ちょっとそこまで―・るよ」
出発する人をその場所まで行って送る。「駅で友人を―・る」
人が死ぬまで世話をする。「親を最期まで―・る」
葬送する。「亡き母を―・る」
やりすごす。さしひかえる。「バスを一台―・る」「好球を―・る」
今、事を行うのは不利と考えて、そのままにしておく。「時期尚早で計画は―・られた」
相場の見通しがつかないために売買を手控える。「新株買いを―・る」
[類語](3送る送り出す/(7める打ち切る切り上げるよす断つ控える中止するとりやめる手を引く放り出す見合わせる思いとどまる踏みとどまる休止停止中断中絶ストップ沙汰止みお流れ立ち消え途絶断絶

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「見送る」の意味・読み・例文・類語

み‐おく・る【見送】

  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 遠ざかっていくものを、その場にいてながめやる。去って行く人の姿を後方から見守る。目送する。
    1. [初出の実例]「松の木(け)の並みたる見れば家人(いはびと)われを美於久流(ミオクル)と立たりしもころ」(出典:万葉集(8C後)二〇・四三七五)
  3. 旅立つのを送る。出発する人を送る。送別する。
    1. [初出の実例]「ここにも心にもあらでかくまかるに、のぼらんをだにみ送り給へ」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  4. 屍を葬るのを、墓地まで送って行く。葬送する。
  5. 死ぬまで世話をする。亡くなった人の最期を見届ける。
    1. [初出の実例]「只今では、二親も見送り、子供もござります」(出典:松翁道話(1814‐46)一)
  6. 見ているだけで手を出さないでいる。そのままにしておく。
    1. [初出の実例]「打者見送(ミオク)って、ボールカウント、ワン・エンド・ツウ」(出典:漫才読本(1936)〈横山エンタツ〉早慶戦)
    2. 「千載一遇の機会を、あっさり、みおくってしまったのだ」(出典:鳥獣戯話(1960‐62)〈花田清輝〉三)
  7. 取引所で用いる語。相場の見込が立たず、売買をひかえる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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