親雲上(読み)ぱいきん

精選版 日本国語大辞典 「親雲上」の意味・読み・例文・類語

ぱい‐きん【親雲上・牌金】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ばいきん」とも ) 昔の、琉球官名親方の次、里の子の上に位置するもの。正三品より従七品まである。
    1. [初出の実例]「俗称親雲上牌古米、或曰牌金、其義不詳」(出典南島志(1719)下)

おやく‐もい‥もひ【親雲上】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「おやく」は「大屋子」、「もい」は敬称という。「親雲上」はあて字 ) 琉球の位階一つ。間切内の一か村をその領地とするもの。黄色の帽をかぶっているので黄冠ともいう。脇地頭。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「親雲上」の意味・わかりやすい解説

親雲上
おやくもい

一般にはペーチンペークミーなどと読む。近世琉球(りゅうきゅう)における位階の一つで黄冠(こうかん)をかぶる身分である。中世の古琉球に存在した「大(おお)やくもい」のあて字であるが、それをなぜペーチン、ペークミーと称するかについては諸説があってさだかでない。里之子(さとぬし)および筑登之(ちくどうん)の区別があり、品級(ひんきゅう)も複雑であるが、正三品を最高位とする。領邑(りょうゆう)名を冠して「○○親雲上」と称するのが普通である。勲功などにより親方(うぇーかた)(紫冠)に進む。

[高良倉吉]

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