解語の花(読み)カイゴノハナ

デジタル大辞泉 「解語の花」の意味・読み・例文・類語

かいご‐の‐はな【解語の花】

玄宗皇帝楊貴妃をさして言ったという、「開元天宝遺事」の故事から。言葉のわかる花の意》美人のこと。
[類語]美人別嬪べっぴん美女麗人佳人かじん美形美姫びき尤物ゆうぶつ名花シャン小町マドンナ色女大和撫子美少女傾国傾城

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精選版 日本国語大辞典 「解語の花」の意味・読み・例文・類語

かいご【解語】 の 花(はな)

  1. ( 「ことばを解する花」の意 ) 美人。玄宗皇帝が楊貴妃をさして言った故事による。解語(かいごか)
    1. [初出の実例]「解語の花」(出典:読本・夢想兵衛胡蝶物語(帝国文庫所収)(1810)前)
    2. [その他の文献]〔開元天宝遺事〕

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故事成語を知る辞典 「解語の花」の解説

解語の花

美人のたとえ。

[使用例] 心なき草木の解語の花を見てひそかに情を悩ますなるべし[末広鉄腸花間鶯|1887~88]

[由来] 「開元天宝遺事―三」に載せる話から。八世紀の中国、唐王朝の皇帝、げんそうは、絶世の美女として名高いよう寵愛していました。あるとき、彼は宮中の池に白い蓮の花が咲き誇っているのを眺めながら宴会を開き、楊貴妃を指しながら「蓮の花も、どうしたって『解語の花(ことばがわかる花)』には及ばないよ」とご満悦だったとのことです。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「解語の花」の意味・わかりやすい解説

解語の花
かいごのはな

ことばの通じる花、物いう花の意で、美人をいう。中国唐の玄宗皇帝が寵愛(ちょうあい)する楊貴妃(ようきひ)とともに、太液池に咲く蓮(はす)の花を見ながら、居並ぶ臣下たちに向かって、貴妃を指さしつつ、「太液池に咲くこのみごとな蓮の花々も、この解語の花には遠く及ばない」といった、と伝える『開元天宝遺事』の故事による。

[田所義行]

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