言分(読み)イイブン

デジタル大辞泉 「言分」の意味・読み・例文・類語

いい‐ぶん〔いひ‐〕【言(い)分】

主張したい事柄。特に、言い訳や異議・非難。「言い分を通す」「双方言い分を聞く」
口論。口げんか。
此方の家さへ開けて下さるれば、―する事もござらぬ」〈浮・織留・四〉
[類語]言いぐさ言い条言い開き弁解弁明釈明申し訳言い訳申し開き言い逃れ言い抜け逃げ口上遁辞陳弁

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「言分」の意味・読み・例文・類語

いい‐ぶんいひ‥【言分】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 主張したい事柄。言うべき箇条。また、不満で、言いたい事柄。不平。言い条。
    1. [初出の実例]「まつわたくしがいひぶんをきひてくだされひ」(出典:虎明本狂言・馬口労(室町末‐近世初))
    2. 「小屋をかけ、人寄せをしやあがるから、それで言分附けに来たのだ」(出典:歌舞伎・天衣紛上野初花(河内山)(1881)序幕)
  3. ( ━する ) 言いがかりをつけること。転じて、口論。いさかい。
    1. [初出の実例]「町人(まちにん)のすゑすゑ迄脇指といふ物さしけるによりて、云分(イヒブン)、喧𠵅(けんくゎ)もなくておさまりぬ」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)二)
  4. 言われた内容。話される事柄。また、言い方。言いぐさ。
    1. [初出の実例]「手代が云分(イヒブン)を慥に、印判押といへば」(出典:浮世草子・西鶴織留(1694)六)
  5. 話がうまいこと。弁舌
    1. [初出の実例]「木戸ばん・口上いいなぞもみないいぶんのあるてあいをつかふ」(出典:黄表紙・玉磨青砥銭(1790))

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