言立てる(読み)イイタテル

デジタル大辞泉 「言立てる」の意味・読み・例文・類語

いい‐た・てる〔いひ‐〕【言(い)立てる】

[動タ下一][文]いひた・つ[タ下二]
強く主張する。言い張る。「犯人あいつだと―・てる」
一つ一つ数え上げて言う。列挙して述べる。「人の欠点を―・てる」
評判を立てる。言いはやす。「世間があれこれと―・てる」
口実にする。かこつける。
病気に―・て、無理においとま申しうけ」〈浮・織留・六〉
[類語]言い放つ言挙げ言い募る言いまくるまくし立てる言い尽くす述べ立てる口がほぐれる舌が回る口角泡を飛ばす舌を振るう舌端火を吐く激語流暢快弁達弁雄弁能弁立て板に水舌を振るう滔滔とうとう喋喋ぺらぺらべらべら弁が立つ口賢い口上手口達者口巧者口八丁口八丁手八丁話し上手口器用口調法口利口口がうまい

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精選版 日本国語大辞典 「言立てる」の意味・読み・例文・類語

いい‐た・てるいひ‥【言立】

  1. 〘 他動詞 タ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]いひた・つ 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙
  2. 特に取り立てて言う。強調する。主張する。言い張る。
    1. [初出の実例]「着給へるものどもをさへいひたつるも物いひさがなきやうなれど」(出典:源氏物語(1001‐14頃)末摘花)
    2. 「なき名のみたかをの山といひたつる君はあたごの峯にやあるらん〈八条大君〉」(出典:拾遺和歌集(1005‐07頃か)雑下・五六二)
  3. 次々と数え上げて言う。列挙して強く述べる。数え立てる。
    1. [初出の実例]「にほはしき所も見えず、いひたつれば、悪(わろ)きによれるかたちを」(出典源氏物語(1001‐14頃)空蝉)
    2. 「人をそしることを好て、とがをつよく云立て」(出典:寛永刊本蒙求抄(1529頃)三)
  4. 目上の人に向かって言う。申し上げる。
  5. 言いふらす。評判を立てる。
    1. [初出の実例]「金は残らずおめへが巻あげ、世間は分散ひろぐといひたて」(出典:人情本・春色梅児誉美(1832‐33)後)
  6. 宣伝口上を述べる。
    1. [初出の実例]「木戸口に浮世又平、白髪親仁にて、云(イ)ひ立(タ)てて居る」(出典:歌舞伎・浮世柄比翼稲妻(鞘当)(1823)二幕)

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