デジタル大辞泉 「訪」の意味・読み・例文・類語 ほう【訪】[漢字項目] [音]ホウ(ハウ)(呉)(漢) [訓]おとずれる たずねる とう[学習漢字]6年1 あちこち出向いて探し求める。「訪古/採訪・探訪たんぼう」2 人のもとをたずねる。おとずれる。「訪欧・訪客・訪問/往訪・再訪・来訪・歴訪」[名のり]こと・み・みる 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「訪」の意味・読み・例文・類語 おと‐ずれ‥づれ【訪】 〘 名詞 〙 ( 動詞「おとずれる(訪)」の連用形の名詞化 )① たずねてくること。たずねること。訪問。来訪。到来。[初出の実例]「わがまたぬ年はきぬれど冬草のかれにし人はおとづれもせず〈凡河内躬恒〉」(出典:古今和歌集(905‐914)冬・三三八)② ある状態、時節がやってくること。[初出の実例]「粽(ちまき)柏餠のおとづれに〈略〉夏の気色を荷(にない)出す」(出典:談義本・風流志道軒伝(1763)二)③ たより。手紙。[初出の実例]「みよし野の山のしら雪ふみわけて入りにし人のおとづれもせぬ〈壬生忠岑〉」(出典:古今和歌集(905‐914)冬・三二七)「何時までも梅次郎さんの音信(オトヅレ)を待つ心算(つもり)か」(出典:雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉上)④ 人や物事の動静。事情。[初出の実例]「釜次郎は〈略〉糺問所の手に掛て居る。所が頓(とん)と音(オト)づれが分らない」(出典:福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉雑記)⑤ 音をたてること。おとない。[初出の実例]「かけひの水のおとづれ、鹿の声、虫の音」(出典:建礼門院右京大夫集(13C前))⑥ 声または音をたてて合図すること。また、その合図。特に茶道で、中立(なかたち)してのち、囲(かこい)にはいるときの合図をいうことがある。[初出の実例]「中立(なかたち)あっての、をとづれに、獅子踊の、三味線を弾るる」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)七)⑦ 神が恩寵を与えること。[初出の実例]「あにまのいつはりたるじゆうと 身を大きにたのむ事は、天よりの御をとづれにたいかんする也」(出典:こんてむつすむん地(1610)二)⑧ 贈り物。[初出の実例]「大方にえやは思はん年の暮 爪木を今日の雪のおとつれ」(出典:宗長連歌自註‐興津藤兵衛尉宛(1517頃)) とぶらいとぶらひ【訪】 〘 名詞 〙 ( 動詞「とぶらう(訪)」の連用形の名詞化 )① 訪問すること。また、安否をたずねること。訪問。見舞い。[初出の実例]「是をかぐや姫聞てとふらひにやる歌」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))② 訪問・見舞いなどのための贈り物。また、謝礼のための贈り物。進物。[初出の実例]「風になむあひたまうてわづらひたまひける。とふらひに、薬の酒・肴など調じて」(出典:大和物語(947‐957頃)一七〇)③ 探して行くこと。案内すること。[初出の実例]「いまはかのくらきみちのとふらひにだにたのみ申べきを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)御法) とむらいとむらひ【訪】 〘 名詞 〙 「とぶらい(訪)」の変化した語。[初出の実例]「今日だにとむらひに物せんと思ひつれども」(出典:落窪物語(10C後)三) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例