デジタル大辞泉
「設け」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
Sponserd by 
もうけまうけ【設・儲】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「もうける(設)」の連用形の名詞化 )
- ① 前もって用意・準備をしておくこと。準備。用意。したく。また、将来の事態のために必要な品物や設備。
- [初出の実例]「親王よろこび給うて、夜の御座(おまし)のまうけせさせ給ふ」(出典:伊勢物語(10C前)七八)
- ② 特に、もてなし・供応のための、食事などの用意・したく。あるじもうけ。
- [初出の実例]「葛城のおほきみを、みちのおくへ、遣はしたりけるに、国のつかさ〈略〉まうけなどしたりけれど」(出典:古今和歌集(905‐914)仮名序)
- ③ 将来のためのたくわえ。貯蓄。
- [初出の実例]「九年の儲(マウケ)」(出典:世俗諺文鎌倉期点(1250頃))
- ④ あらかじめ練習をしておくこと。予行。
- [初出の実例]「殿上のきみたちも、かたちよく同じき舞の姿も心ことなるべきを定めて、あまたの舞のまうけをせさせ給」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜下)
- ⑤ 予備のもの。
- ⑥ 事を成そうとして計画すること。計略をめぐらすこと。また、その計画・計略。
- [初出の実例]「斯る設(マウ)けのあらんとは長兵更に知るよしもなく」(出典:近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉六)
- ⑦ ( ②から転じて ) 食事。食物。
- [初出の実例]「紙の衾、麻の衣、一鉢のまうけ、藜(あかざ)のあつ物、いくばくか人の費をなさん」(出典:徒然草(1331頃)五八)
- ⑧ 饗宴。酒盛り。
- [初出の実例]「人々にも盃度々すすむ。永清、まうけの事さまざまありて、夜とともにひしめきあへり」(出典:竹むきが記(1349)下)
- ⑨ 地位などが、あらかじめ決められていること。予定されていること。
- [初出の実例]「まうけの関白、一の人の太郎君にて、あへなくなり給ひにしかば」(出典:今鏡(1170)四)
- ⑩ 子を得ること。誕生すること。
- [初出の実例]「本所、彦兵衛小法師まうけとて太刀〈金〉・百疋被レ遣也」(出典:山科家礼記‐文明一二年(1480)五月二二日)
- ⑪ あらたに作りもうけること。設備・組織などを設立すること。
- [初出の実例]「未だ学校の設(モウケ)あらざりし前に」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一一)
- ⑫ 思いがけない利得を得ること。転じて、利得を得ること。利潤。収益。利益。比喩的にも用いる。
- [初出の実例]「羊を庖丁してそのまうけで世をすぐる者を説(えつ)と云たぞ」(出典:玉塵抄(1563)五五)
まけ【設・儲】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「まく(設)」の連用形の名詞化 ) 用意すること。また、用意した物事。もうけ。
- [初出の実例]「わが居る家の厨内(くりやうち)、働く妻をよびとめて、夕(ゆふべ)の設(マケ)をたづぬるに」(出典:孔雀船(1906)〈伊良子清白〉戯れに)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
Sponserd by 