許し(読み)ユルシ

デジタル大辞泉 「許し」の意味・読み・例文・類語

ゆるし【許し】

(「聴し」とも書く)願いを聞き入れること。許可すること。「父の許しを得て上京する」
(「赦し」とも書く)罪・過失・無礼などをとがめないこと。容赦ようしゃ赦免しゃめん。「罪の許しを請う」
芸道で、師から弟子に与える免許の一階級。「奥許し
[類語]許可認可許諾承認認許允許いんきょ允可いんか容認許容聴許裁許免許公許官許オーケーライセンス勘弁容赦裁可特許宥恕黙許批准堪忍寛恕海容目こぼし見て見ぬふり(―する)許す認める見逃す見過ごす大目に見る目をつぶる

ばかし【許し】[副助]

[副助]《「ばかり」の音変化。話し言葉に用いられる》
おおよその程度を表す。ばっかし。「少し許し塩気が足りない」
限定の意を表す。ばっかし。「食卓には食事が並んで、あとは食べる許しだ」
(「…たばかし」の形で)動作が完了して間もない意を表す。ばっかし。「さっき来た許しだ」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「許し」の意味・読み・例文・類語

ゆるし【許・赦・聴】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「ゆるす(許)」の連用形の名詞化 )
  2. ある行為を、さしつかえないとして許可すること。
    1. [初出の実例]「『にげないことゆゑに、あやしの声までやは』などあるは、ゆるしなきを」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)
  3. 罪、とが、あやまちなどを許すこと。赦免。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「父順徳が冤枉(むしつのつみ)をまうしときて、おん赦(ユルシ)を蒙らせん為に」(出典読本・椿説弓張月(1807‐11)続)
  4. 芸道で、師匠から弟子に与える免許。特定の技術や楽曲を習うことを許すこと。表許・裏許・中許・奥許などの階梯があることもある。
    1. [初出の実例]「物のゆるしをとるは、何れの道にても、なりがたき物なれば」(出典:わらんべ草(1660)五)
  5. ゆるしいろ(許色)
    1. [初出の実例]「野風秋の小袖(ユルシ)にして惣鹿子」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)一)
  6. キリスト教で、神が人の罪を罰せず、罪から解き放つことをいう。

ばっかし【許・斗】

  1. 〘 副詞助 〙 ( 副助詞「ばかり」の変化した「ばっかり」がさらに変化したもの ) 会話に用いる俗語的な語。限定の意を表わす。→ばかり
    1. [初出の実例]「是斗といふべきを、是ばっかし是ばっちゃ 是ばっかりなどはわるがるべし」(出典:かた言(1650)三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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