語意考(読み)ゴイコウ

デジタル大辞泉 「語意考」の意味・読み・例文・類語

ごいこう〔ゴイカウ〕【語意考】

江戸中期の語学書。1巻。賀茂真淵かものまぶち著。寛政元年(1789)刊。真淵の古語に関する考え方を述べたもの。五十音図に基づいて動詞活用を説き、語義については実証的に説明した。

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精選版 日本国語大辞典 「語意考」の意味・読み・例文・類語

ごいこうゴイカウ【語意考】

  1. 江戸中期の語学書。一巻賀茂真淵著。明和六年(一七六九)成立。寛政元年(一七八九)刊。荷田家の説をうけ、五十音とその組織によって、国語特質語源、語義、活用等を論じた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「語意考」の意味・わかりやすい解説

語意考
ごいこう

国語学書。1巻。賀茂真淵(かもまぶち)著。1759年(宝暦9)ごろ初稿が成立、89年(寛政1)に刊行された。真淵の古語に関する考え方を述べたもので、国語は五十聯音(いつらのこえ)(五十音図)に基づく少ない音節によって語が構成され、他国語に比べてより優れているとする。また、五十音図の「あいうえお」の各段を、初めの音(こえ)、体音(うごかぬこえ)、用音(うごくこえ)、令音(おうするこえ)、助音(たすくるこえ)とよび、動詞の活用を五段で説明しようとした。その体系的説明は、まま無理な点もあるが、国語学史上注目される。語義の説明では、約言(つづめこと)、延言(のべこと)、転回通(うつしめぐらしかよう)、略言(はぶくこと)の四つをあげる。これらは真淵以前から使われていた用語であるが、これを実証的に駆使して、村田春海(はるみ)、平田篤胤(あつたね)など後世の国学者に大きな影響を与えた。

[沖森卓也]

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