出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…文中に置かれて,それを取り巻く前後の要素との関係からはじめて明らかになるのである。〈私は君を愛する〉という意味の中国語文〈我愛你〉では〈愛〉は〈愛する〉という動詞で,その行為の主体〈我〉とその対象〈你〉はおのおのそれを示す標識は何ももたず,その関係は語順によってのみ示されているのである。
[形態論に基づく言語の分類]
この分類は19世紀のW.フンボルトらにさかのぼるもので,語構成を基準にすべての言語を孤立語,膠着語,屈折語の三つ,あるいはさらに抱合語を加えた四つのタイプに分けようというものである。…
…形態論とともに文法の一部門をなす。 シンタクス上,まず留意されるのは語順すなわち[1]〈単語間の前後関係〉である。だが,実は,単語はただ1列に並んで文をなすわけではなく,ある連続した二つ(またはいくつか)の単語がまず密接に結びつき(これを句という),その全体がまた別の単語や句と結びついてさらに句を作る,というような関係が重なって一文をなしていると見られる。…
…こうした敬語法は東洋のモンスーン地帯に発達していて,朝鮮を除く大陸の諸言語には見られない現象である。
[文法――統語面]
いま主語subjectをS,目的語objectをO,動詞verbをVとして種々の言語の語順を示せば,例えばアラビア語は動詞が文頭に立つのでVSO型(例:taqru’u al‐bintu kitāban.〈読んでいる・少女が・本を〉)とされ,また例えば英語や中国語のように動詞が主語と目的語の間にくるものはSVO型(例:the girl・is reading・a book.〈少女が・読んでいる・本を〉),そして日本語は動詞が文末にくるのでSOV型に属する。SOV型言語は,日本語,朝鮮語,モンゴル諸語,チュルク諸語,ツングース諸語のように,北ユーラシアから日本列島へと分布している。…
※「語順」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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