調べる(読み)シラベル

デジタル大辞泉 「調べる」の意味・読み・例文・類語

しら・べる【調べる】

[動バ下一][文]しら・ぶ[バ下二]
わからないことや不確かなことを、いろいろな方法で確かめる。調査する。研究する。「渡り鳥生態を―・べる」「電話帳番号を―・べる」
不都合な点や異常・ごまかしなどがないか、実物に当たって確かめる。検査する。点検する。「所持品を―・べる」「帳簿を―・べる」「故障がないかどうか、エンジンを―・べる」
罪状などをはっきりさせるために、あれこれと問いただす。とりしらべる。「重要参考人として―・べる」
音楽を演奏する。「琴を―・べる」
いろいろに音を出して、音律を合わせ整える。調子を合わせる。
「次の『紀文大尽』に出る夫人三味線を―・べている」〈三島・純白の夜〉
調子に乗る。
「わづかに聞き得たることをば、我もとより知りたることのやうに、こと人にも語り―・ぶるもいとにくし」〈二八
[類語](1探る洗う当たる調査する探査する踏査する精査する詮索せんさくする探索する研究する分析する検分調べ鑑査監査審査審理検討吟味けみするリサーチアンケート/(2検するけみする改める検査する点検する検分する吟味する実検する臨検する検閲する査閲する監査するチェックする/(3取り調べるただ尋問する審問する査問する詮議せんぎする審理する

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「調べる」の意味・読み・例文・類語

しら・べる【調】

  1. 〘 他動詞 バ下一段活用 〙
    [ 文語形 ]しら・ぶ 〘 他動詞 バ下二段活用 〙
  2. [ 一 ] 調子を整える。
    1. 楽器の音律を合わせ整える。調律する。整律する。
      1. [初出の実例]「穆羽、和合すること、虁牙が琴を調(シラヘ)たるがごとし」(出典:漢書楊雄伝天暦二年点(948))
      2. 「しらべ果てて、をかしきほどに掻きあはせばかり弾きて、まゐらせ給ひつ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜下)
    2. 楽器で音楽を演奏する。かなでる。
      1. [初出の実例]「箏(さうのこと)琵琶など、折にあひたるこゑにしらべなどして」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)
      2. 「ひとりしらべ、ひとり詠じて、みづから情(こころ)をやしなふばかりなり」(出典:方丈記(1212))
    3. 調子にのる。調子づく。
      1. [初出の実例]「わづかに聞きえたる事をば、我もとより知りたる事のやうに、こと人にも語りしらぶるもいとにくし」(出典:枕草子(10C終)二八)
  3. [ 二 ] 物事をはっきりさせるためにあれこれ見聞きする。
    1. 必要な知識を得ようとしてあれこれ見聞きする。調査する。研究する。
      1. [初出の実例]「夫連歌は、行やうの先達好士と云は百韵の行様に輪廻のなき事を何れの好士もしらべ侍る也」(出典:当風連歌秘事(1542))
    2. 不都合の点がないかどうか見てまわる。点検する。検査する。
      1. [初出の実例]「流役持候間、先々道具を候」(出典:梅津政景日記‐慶長一七年(1612)三月一二日)
      2. 「出掛て衣服をしらぶるに、袴のくくり緒なし」(出典:政談(1727頃)二)
    3. 理非曲直をはっきりさせるために、あれこれと問いただす。とりしらべる。糾問する。詮議する。
      1. [初出の実例]「コレ嚊(かか)。それは誰もしった事。今さらしらべる事かいの」(出典:浄瑠璃心中宵庚申(1722)下)
  4. [ 三 ] 味わう。賞味する。
    1. 遊女を買う。
      1. [初出の実例]「虎といふ遊女は兼て承知して居る。どうぞ下直(げじき)に調べたい」(出典:歌舞伎・男伊達初買曾我(1753)三)
    2. 食う。食べる。
      1. [初出の実例]「どなたもおしらべんか、御先へ(トしらべてゐるうち、煎海鼠(いりこ)を挟みあげて)、ヲヲこわ」(出典:洒落本・箱まくら(1822)中)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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